トニー・ケイ監督。エドワード・ノートン主演、エドワード・ファーロング。1998年。
<ストーリー>
カリフォルニア州ヴェニス・ビーチ。黒人に父親を殺されたのをきっかけに白人至上主義となったデレクは、自宅を襲った黒人の車泥棒2人を殺害した罪で服役、3年後の今日、出所してきた。その日、デレクを崇拝する高校生で弟のダニーは、黒人のスウィーニー校長から兄弟をテーマにしたエッセイを書くように言われる。白人至上主義に傾倒していたダニーは、兄との再会を喜ぶが、デレクはまるで別人のようになっていた。いったい刑務所で何があったのか…。
<感想>
ジャケットを見てずっと観るのを躊躇っていた、でもいつか観なくてはと思っていた映画です。見終わって一言、ノートン、凄すぎです。彼の演技は鳥肌物で、これだけでも観る価値のある映画だと思いました。危うい感じのファーロングも良かったです、彼、ドラッグやアルコールに溺れなかったら、今頃かなりの人気を得ていたのではないでしょうか。ストーリーはアメリカの人種差別をテーマにした物で、かなり観ていて辛かったです。「今までそうやって人を憎んできたことで、自分は幸せになったのか」といった問いかけは、実に重い物でした。回想シーンは白黒という演出も良かったです。それにしてもノートンの演技は素晴らしい…これでアカデミー賞を取れないなんて…。