トム・マッカーシー監督。マーク・ラファロ主演、マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムス、リーヴ・シュレイバー。アカデミー作品賞、脚本賞受賞。2015年。
<ストーリー>
2001年、マサチューセッツ州ボストンの日刊紙『ボストン・グローブ』はマーティ・バロンを新編集長として迎える。バロンは同紙の少数精鋭取材チーム「スポットライト」のウォルター・ロビンソンと会いゲーガン神父の子供への性的虐待事件をチームで調査し記事にするよう持ちかける。チームは進行中の調査を中断し取材に取り掛かる。
当初、チームは何度も異動させられた一人の神父を追うが、次第にマサチューセッツ州でカトリック教会が性的虐待事件を隠蔽するパターンに気づく。虐待の被害者のネットワークに接触したのち、チームは13人の神父に調査対象を広げる。統計的には90人程度の神父が性的虐待を行っているはずだと言う指摘を受け、病休あるいは移動させられた神父を追跡して87人のリストを得る。カトリック信者の多いボストンで、チームは様々な障害・妨害にあう。
調査が佳境に差し掛かる頃、チームは9月11日を迎える。テロの後、チームの調査はしばし棚上げされる。枢機卿が虐待事件を知りながら無視したという公的な証拠の存在をつかみ、チームは活気づく。ロビンソンはカトリック教会の組織的な犯罪行為を徹底的に暴くために記事の公開を遅らせる。チームはより多くの証拠を公開するよう求めた裁判に勝ち、2002年にようやく記事を公開し始める。
記事公開の直前、ロビンソンは、1993年に性的虐待を行った20人の神父のリストを受け取りながら調査をしなかったことを告白する。だが、バロンはチームが今、犯罪を暴いたことを称賛する。翌日、チームは多くの犠牲者から告白の電話を受け始める。合衆国および世界中で聖職者による性的虐待のスキャンダルが明るみに出る。隠蔽行為を行った枢機卿は辞任するが、ローマの大教会に栄転する。 (Wikipediaより転載)
<感想>
神父と言えば聖人君子のイメージだったのが、今ではすっかり虐待するかもしれない人のイメージになったのは、ボストン・グローブの方が頑張ってくれたおかげなのですね。話は淡々と丁寧に進められ、文句の付けようがありません。虐待のシーンがなくても、虐待の悲惨さが伝わる演出でした。役者さん、すごい。枢機卿、これでもお咎めなしにガッカリしましたが、闇が深いんですね。せめて、もう被害者が出ないようになっていると良いのですが。こういう現実があると知るためにも、見るべき映画だと思います。