白石和彌監督。蒼井優主演、阿部サダヲ、松坂桃李、竹野内豊。沼田まほかる原作の同名小説の映画化。2017年。
<ストーリー>
十和子は言い知れぬ欲求不満を抱えながら毎日を過ごしていた。同居人である陣治が何の取り柄もない野卑で不潔な男であり、僅かばかりの給金すら貰えれば後は顔も見たくない存在だからだ。十和子はかつて恋仲であった精悍な男・黒崎を思い出しては嘆息を洩らすのだった。
そんなある日、故障してしまった思い出の腕時計について十和子がクレームをつけたデパート社員・水島が、詫びの品をもって家を訪れる。頑なな態度を崩さない十和子に、水島は濃厚な接吻を与えその心をとろけさせた。情事を重ねてか家を頻繁に空けるようになった彼女を叱りに、姉である美鈴がやってくるが、あくまで陣治は十和子をかばい続け美鈴に呆れられた。特に黒崎とよりを戻したかと疑う美鈴に、陣治は「それはあり得ない」と力を声にこめた。
そして、同じころ十和子は刑事の訪問を受け、黒崎が5年も前から失踪していると聞き驚く。真相を知りたくて黒崎の妻に会いに行く彼女は、そこで意外な人物と顔を合わせる。国枝というその老人は十和子を以前慰み者にした男だった。実力者である国枝の後ろ盾を得るべく黒崎は十和子を貢物として捧げ、その結果国枝の姪を花嫁に迎えた…そんな過去の記憶が十和子の胸によみがえった。思い出したことはそれだけではない。黒崎と別れた彼女が帰宅すると、陣治が「会社で殴られた」といって血に汚れた衣服を洗っていたのだ。
何か謎がある。戸惑う十和子は一方で水島の態度のよそよそしさに気づく。彼もまた十和子との関係を遊びとしか思っていなかったのだ。そんな裏事情を尾行によって得ていた陣治は、十和子に「また」えらいことになってしまう、と水島と手を切るように訴える。だが、十和子は陣治の言動に反発し、何かに憑かれたかのように水島に会いに出かけるのだった。陣治はなにを知っているのか。そして十和子が忘れてしまった事実とはなんなのか。 (Wikipediaより転載)
<感想>
冒頭から、主人公がクレーマーのクズ、一緒に暮らす男は人は良さそうだが下品。うわー、なんて映画だろう、と思いながら観ました。そして他の男2人もクズ、女性を人と思っていない。元彼の酷さに唖然としました。それでも想うって、自分を莫迦にし過ぎ!というところで、何だか急に怪しい雰囲気に。犯人は陣治?とミスリードしてからの、ラスト。うわー、と又なりました。陣治の走馬灯の中、彼は今よりずっと小綺麗で情熱がある。これは…落ちるかもね、辛い経験した後だけに。こらくらい愛されたら、女性は幸せかなあ?でも結局、スポイルしていただけのような気もします。最後のセリフは切なかった。十和子、分かったんですかね。うーん…メンヘラ女とクズばかり…すごい映画でした。阿部サダヲさん、コメディしか観たことがなかったのですが、演技力半端ないですね。好きになるかは別として、魅力的でした。