鑑定士と顔のない依頼人  LA MIGLIORE OFFERTA / THE BEST OFFER

ジュゼッペ・トルナトーレ監督。ジェフリー・ラッシュ主演、ジム・スタージェス、シルヴィア・フークス、ドナルド・サザーランド。2013年。

鑑定士と顔のない依頼人(字幕版)

<ストーリー>
ヴァージルは美術鑑定士として成功を収めていた。だが、女性と接するのが非常に苦手で、女性を目の前にすると気分が悪くなる為隠し部屋に大量の女性の肖像画を飾り鑑賞するという奇妙な性癖を持っていた。ヴァージルは女性の肖像画は自身が開催するオークションでビリーと共謀し、格安で落札していたのだった。ビリーはかつては画家を目指していたのだが、ヴァージルに才能がないと一蹴され、諦めていた。
ある日ヴァージルのもとに、電話を通じて依頼が入る。依頼内容は両親が死去したので、両親が収集していた美術品を競売にかけて欲しいというものだった。依頼人の邸宅には確かに様々な美術品が置いてあったが、当の依頼人であるクレア自身は姿を表さなかった。何度か足を運ぶと依頼人のクレアは隠し部屋に引きこもっていることが分かった。
邸宅の管理人やクレア自身の会話を整理すると、クレアは広場恐怖症で長年引きこもっており、作家として生計を立てているという。依頼人が姿を表さないという前代未聞の依頼であったが、ヴァージルは扉越しに接するうちに、クレアの容姿に興味を持ち、ある日クレアの容姿を盗み見る。クレアは長年引きこもっていたとは思えないほど美しく若い女性であった。
クレアにすっかり夢中になるヴァージルは、遂にクレアとの直接対面を果たし、クレアに自分のコレクション(女性の肖像画)を見せびらかすなどして、非常に親しくなる。そして機械職人ロバートの後押しを受け、プロポーズに成功する。プロポーズを受けたクレアは両親の遺した美術品を競売にかけるのをやめて欲しいと依頼し、ヴァージルは快諾する。
結婚を機にヴァージルは引退を決意し、そして最後の競売となった会場では様々な人から祝福され、ビリーからは「俺の絵の才能を認めてくれなかったのが残念だったが、お祝いに絵画を送ったよ」と絵画を送ってもらう。ヴァージルは帰宅するが、隠し部屋の肖像画コレクションが殆ど全てが根こそぎなくなっており、ヴァージルは愕然とする。
唯一遺された女性の肖像画は元々クレアの邸宅にあったもので、裏にはなぜか「親愛と感謝をこめて」とビリーの署名があった。更にはロバートの店とクレアの邸宅はもぬけの殻になっており、連絡も一切取れなくなってしまう。邸宅の近所のバーにいた小人症の客に、邸宅に何度も家具が運びいれられ運び出されていたこと、邸宅から若い女性(クレア)が度々外出していたこと、そして彼女(バーの小人症の客)が邸宅の本当の持ち主で他人に邸宅を貸すことがあったことを告げられる。
ヴァージルは自分が周りに騙されていたことを信じられず、クレアが話していた思い出の飲食店で一人食事をする。 (Wikipediaより転載)

<感想>
イタリア映画です。絵画がたくさん出てきて、美術館に行きたくなりました。主人公は女性が苦手な、偏屈な鑑定士です。年寄りらしく融通が利かず、さらに詐欺までしていました!これって鑑定士ならありがちなこと?そんなこと無いですよね。共謀者への暴言も、かなり残念な感じ。そんな中、現れた女性クレアに恋してしまう主人公。ちょっと設定に無理があるでしょ、という感じだし、ヒステリーでどこが良いの?とも思いましたが、手慣れていない主人公はどっぷり沼の中へ。暴漢に襲われたのはヤラセだったんですかね。あそこはクレアが思わずだったら良かったのですが、お金のために主人公とあそこまでするとは!機械職人までグルとは…いや、主犯だったのかな。何か、彼も恨みがあるんでしたっけ?全てを失って、廃人となるのはちょっと可哀想でした。でもラストのレストラン…愛を感じることのできた主人公は、それなりに幸福だったのかな、とも思えました。あの余韻が良いですね。全体的にとてもオシャレな演出でした。考察サイトもいろいろ見て、楽しめました。