A BOY CALLED H  少年H

降旗康男監督。吉岡竜輝主演、水谷豊、伊藤蘭、小栗旬。ベストセラーとなった、妹尾河童の自伝的小説の映画化。2013年。

少年H [レンタル落ち]

<ストーリー>
昭和13年の神戸。胸にイニシャルのHと入ったセーターを着ていることから、Hとあだ名されていた小学3年生の肇は、主に外国人相手の洋服の仕立屋をしている父と、キリスト教徒の母、妹の4人で幸せに暮らしていた。しかし5年生になり、太平洋戦争が勃発。外国人が帰国し、仕事がなくなった父は、畑違いな消防団で働くようになるが、外国人と親しくしていたため、スパイ容疑で連行されてしまう。学校では軍事教練が行われ、妹は学童疎開へ、そして神戸に焼夷弾が落ち、家は全焼。やがて戦争が終わり、また家族皆での生活が始まったが、今までと全く違うことを言う大人たち、やる気を無くしてしまった父、自分たちの分の食べ物を他人に分け与える母に、Hの怒りは爆発し…。

<感想>
間違いだらけであると指摘されている小説ですが、映画を観て、なるほど、この時代にこういう少年がいたとは思えないと感じました。今だから描ける少年、父親だと思います。御都合主義で、エピソードも通り一遍だと感じました。とは言え、映画自体は割と楽しめました。子どもが戦争下の生活を知る導入としては、良いのではないでしょうか。私も娘に見せて、こんなことがあったんだよ、あんなことがあったんだよと話しました。アメリカ人であり、日本人でもある娘には、いろいろ思うところも多かったようです。これを足掛かりに、もっと詳しく知るきっかけとなってくれたらOKです。