闇の子供たち

阪本順治監督。江口洋介主演、宮崎あおい、妻夫木聡。2008年。

＜ストーリー＞
南部浩行は日本新聞社バンコク支局の記者をしている。今追っているのは、タイの子ども達が犠牲になっているという臓器移植。元仲介者に接触した南部は、提供者の子ども達は生きたまま臓器を摘出されるという衝撃の事実だった。そして近く、日本の子どもへの心臓移植が行われるという情報を得る。一方、音羽恵子は、子ども達のために何かしたいとバンコクの社会福祉センターにやってきたばかり。所長に同行しスラム街を視察する。そしてアランヤーという少女が売春宿に売り飛ばされていて、エイズになった子どもはゴミ袋に入れて捨てられると聞き…。

＜感想＞
奇しくも２本続けて舞台がタイの映画を観ました。確かノンフィクションと謳っていたと思いましたが、実はフィクション、特にこの映画で重要な点の１つである臓器移植は、日本人がタイで心臓移植を受けた例はないということで、ならば何故このような映画を撮ったのかと疑問に思いました。臓器移植についての家族とのやりとりがとても心痛むものだっただけに残念です。児童買春については、実際にこういうことがあるのでしょう。目を背けたい事実に目を向けるようにとしたこの映画の意味は、とても理解できます。
ラストの南部の話は衝撃的でしたが、これにより作品のテーマが呆けてしまった気がします。やはり事実だけをベースにした話作りにした方が良かったのではないかと、思われてなりません。