紀子の食卓

園子温監督。吹石一恵主演、つぐみ、吉高由里子、光石研。2006年。

紀子の食卓 プレミアム・エディション [DVD]

<ストーリー>
島原紀子は田舎に住む17歳の高校生。妹のユカ、新聞記者の父、徹三、母、妙子の4人家族。ある停電の夜、家族との関係に苛立ちを感じていた紀子は、家出をする。そして東京で、嵌っている廃墟ドットコムというサイトで親しくなった「上野駅54」さんと「ミツコ」の名で待ち合わせをした。彼女は出会うなり、父母と弟を紹介し、祖母の家にミツコを連れて行く。そこには完璧な家族がいた。しかし実は彼らはレンタル家族だったのだ。2002年5月26日、新宿で54人の女子高生がホームに飛び込んで自殺するという事件が起きる。ユカは、その中に姉がいるのではないかと探る内に、廃墟ドットコムの存在を知る。自分が失踪した後の父親の行動をシミュレーションしたノートを残し、彼女も東京へ向かう…。

<感想>
『愛のむきだし』とこの作品が監督の代表作と読み、観てみました。ところがこれは『自殺サークル』の続編とのこと。しまった、そっちを先に観るべきだったか、と思いましたが、既に遅し。これも約160分と長い映画でしたが、長さは気にならずに楽しめました。
ナレーションはこの監督特有の表現だったのですね。映像ではなく言葉で表現するんじゃ、本と変わらないのかも知れませんが、彼の映画ではとても良い感じで使われています。
「あなたはあなたの関係者ですか?」うーん、なんとも難しい。いったいどういう展開になるのか、ドキドキして観ました。ラストは驚きというか、いったいこの世界は何?というか。
ただ1つ気になったのは、組織の男達。結局、ああいうのを狙って金儲けをしている裏組織があるということでしょうか。遺体はどうしたんだとか、せっかくの一家団欒、そっちの方が気になってしまいました。いっそ、クミコをリーダーにした方が良かったんじゃないかなあ。