モルテン・ティルドゥム監督。ジェニファー・ローレンス主演、クリス・プラット、マイケル・シーン。2016年。
<ストーリー>
宇宙移民を目的とした超大型宇宙船『アヴァロン号』は、乗組員の約5000人が人工冬眠を行い、120年先の目的地に向けて自動航行していた。
航行開始から約30年後、人工冬眠ポッドの故障により、主人公のジムだけが目覚めてしまう。アヴァロン号が目的の惑星に到着するまでまだあと約90年、再び冬眠状態になることは不可能だった。さらに地球へ助けを求めるメッセージを送るも、返事が届くまでに約55年を要する。
乗組員ではない植民者のジムは、宇宙船のコントロールにアクセスすることもできないうえ、アクセス権を持つ乗組員たちが冬眠している部屋は頑丈なハッチに守られているため、起こすことも不可能だった。
八方塞がりとなったジムは広い宇宙船の中で、寿命を迎えるまで孤独に過ごすしかない絶望的な状況となってしまう。
それから1年間、ジムは宇宙船の中で一人自堕落な生活を続けていた。スイートルームを独占し、船内のエンタテイメントシステムで時間をつぶし、唯一の話し相手のバーテンダー・アンドロイドのアーサーと日々会話を続ける。ある時は宇宙服を着て船外遊泳に出て、初めて見る生の宇宙空間に感動もした。
しかし、日に日に増していく孤独感に耐えられなくなったジムは、宇宙服を着ないまま外扉を開くスイッチに手をかけるが、寸前で我に返り自殺を思いとどまる。そんな中、宇宙船では作業ロボットなどの故障がたびたび発生し、無人のコントロールルームではエラーメッセージが次々と表示されていた。
ある日、ジムは冬眠ポッドで眠る女性作家のオーロラに一目惚れ、彼女のことを調べていくうちにますます惹かれていくようになる。ジムはオーロラを目覚めさせたい気持ちに駆られるが、それは彼女の人生を奪ってしまうことを意味するため、葛藤する。
しかし、あまりの寂しさに堪えられず、ついに冬眠ポッドを故障させ彼女を目覚めさせてしまう。目覚めたオーロラは当初困惑するが、唯一同じ状況を共有し、優しく接してくれるジムに惹かれていくようになる。
恋人関係となり1年が過ぎ、ジムがプロポーズを決心した頃、アーサーがオーロラに、ジムが故意に彼女を目覚めさせたことを告げてしまう。オーロラはその事実に憤慨し、ジムをひどく恨むようになる。
ジムはオーロラへ謝罪し、なんとか償いの気持ちを伝えようとあらゆる手を尽くすが、オーロラは依然としてジムを拒絶し続け、それに対しジムも嫌気がさし始めると、2人の仲は壊滅的となる。
そんな中、アヴァロン号のシステム不具合は日に日に悪化し、様々なトラブルが頻発していた。冬眠ポッドの故障から甲板長のガスが目覚める。アヴァロン号への全アクセスが可能なガスが目覚めたことで、コントロールルームへの入室が可能となる。
問題の把握にかかると、アヴァロン号は2年前の小惑星群との衝突の影響で、航行や電力供給など、船のすべてのエネルギー生成を担う核融合炉が暴走寸前であると発覚。
ガス指導のもと問題解決を図る3人だったが、不具合のある冬眠ポッドで2年間眠っていたガスは新陳代謝を狂わされており、体内が深く傷つけられ、寿命が残り少ないことが判明する。その間にも船の状態は悪化、重力装置が一時停止になるなど深刻なトラブルも発生。一刻の猶予もないと判断したガスは、息絶える際にジムとオーロラに自身のアクセス権を託す。
2人は核融合炉の修理に取りかかるが、修理を完了するには炉内の熱を排熱孔から放出する必要があり、故障の影響で排熱孔は船外から手動でしか開けられなくなっていた。ジムが船外に出て命がけで排熱孔を開き、核融合炉は限界寸前で正常に戻る。
しかし、熱放出の際の衝撃によって、ジムは宇宙空間に吹き飛ばされてしまう。オーロラは船外に飛び出してジムを救出、すぐさま医療ポッドへ運び込む。一時は死亡と診断されたジムだったが、あらゆる手を尽くして蘇生に成功する。
その後、2人の関係は一連の出来事で修復する。ガスの宇宙葬を済ませたある日、ジムはガスに与えられたアクセス権で医療用ポッドを確認してるうちに、そのポッドに冬眠機能があることを発見する。ポッドは1台。ジムはオーロラに、目覚めさせた償いとして冬眠ポッドを譲ることを告げる。
88年後。目的の惑星への到着を5ヶ月後に控え、乗組員の冬眠ポッドが起動する(乗客の起動はその1か月後)。ノリス船長以下、目覚めた乗組員たちがフロアで見たものは、一帯を覆う緑の木々と、その中心に鎮座するようにそびえ立つジムが植えた木であった。
オーロラの遺言となるアナウンスにより、徐々に人々は、自分たちが眠り続けた間に起こった危機と、2人の物語を知ることになる。オーロラは再冬眠を断り、ジムと2人で残りの人生を共に歩んでいたのだった。(Wikipediaより転載)
<感想>
予備知識ゼロで観ましたが、面白かったです。設定が秀逸、こんな絶望ありますか?
ヒロイン、そりゃ怒ります。船内の様子も、アクションも凄かった。
ラストはどれほど思い悩んだのか、涙が出ました。