アリ・アスター監督。トニ・コレット主演、アレックス・ウルフ、ミリー・シャピロ、アン・ダウド、ガブリエル・バーン。2018年。
<ストーリー>
ミニチュア模型アーティストのアニー・グラハムは、長年疎遠であった母エレンの死をきっかけにグループ・カウンセリングに参加するようになる。アニーはカウンセリングの席で、母が解離性同一性障害を発症していたこと、父が精神分裂病で餓死したこと、兄が極度な被害妄想が原因で自殺したこと、そして自身も夢遊病に悩まされていることを語る。彼女は先天性遺伝による精神疾患がいずれは自分の子ども達にも発現することを心配していた。
アニーの息子で高校生のピーターは友人宅のパーティーに行くため、母の車を借りようとすると、ピーターが飲酒をしないよう、13歳の妹チャーリーも連れて行くことを条件にアニーはパーティーへの参加を許可する。パーティーでは一人きりにされてしまったチャーリーがナッツ入りのケーキを食べアレルギー発作を起こしてしまい、ピーターは妹を病院に運ぶため車で夜道を疾走。呼吸困難にもがき苦しむチャーリーが車の窓を開け顔を出したその時、ピーターが路上に横たわった動物の死骸を避けるためハンドルを切り、道路脇の電柱とチャーリーの頭部が激突してしまう。ピーターはショック状態になり誰にも事態を報告しないまま、自宅の寝室に戻り、翌日、頭部のないチャーリーの死体を発見した母の悲壮な叫び声が響き渡る。
チャーリーの死をきっかけにアニーとピーターは険悪な関係になってしまう。悲しみに沈んだアニーは、カウンセリングでジョーンと知り合い、ある日、彼女の自宅に招かれ交霊会の儀式を行っているところを見る。そこでの体験を経て、アニーは交霊の儀式が本物であると信じ、チャーリーのスケッチブックを使い自分も交霊の儀式を行い娘と交信しようと試みる。交信は一旦成功するが、夫スティーブによって儀式は中断される。一方ピーターも妹の幻覚を見たり、アニーに殺される悪夢にうなされるなど精神が病んでいく。
息子の危険を感じたアニーはチャーリーのスケッチブックを暖炉で燃やそうとするが、その燃え方と同調するように自分の手も炎に包まれ驚く。スケッチブックを燃やすと自分も燃えるというルールを知ったアニーは、スケッチブックの処分をあきらめる。さらにアニーは、自宅の屋根裏部屋で母の首のない腐乱死体を発見する。そこにはカルト教団の儀式のようなものを行う生前の母とジョーンの姿が映った写真が残されており、母が「ペイモン」と呼ばれる悪魔を崇拝するカルトの長だったことを知る。アニーはスティーブに屋根裏のエレンの死体を見せ、悪魔崇拝カルトの実態を説明しようとするが、スティーブは夢遊病持ちのアニーがエレンの死体を墓から掘り返したのだと思い込み、取り合わない。絶望したアニーは、自分も焼け死ぬ覚悟で再度スケッチブックを暖炉に捨てるが、今度はアニーではなく、スティーブの身体が炎に包まれていた。それを目にしたアニーの精神は完全に崩壊し、絶望の慟哭を上げるが直後に彼女は何かに憑依される。
眠っていたピーターが目を覚ますと庭の木に据え付けれたツリーハウスの明かりが点灯していた。不審に思ったピーターは暖炉の前で父スティーブの焼死体を発見。続いて彼が目にすることになったのはなにかに憑依され、天井を這って移動するアニーと全裸の体に不気味な化粧を施した見ず知らずの男であった。瞬間的に移動すら可能となって襲いかかってくるアニーをピーターは振り切って屋根裏部屋へと逃げ込み何とか落ち着こうとする。そこにあったカルト教団の何らかの儀式の痕跡を見つけた彼がそれらに気を取られている隙に、いつの間にか天井近くに浮揚するアニーが現れ、ワイヤーで自らの首を切断し始める。目を疑う光景に唖然としている所にいつの間にか全裸の人々、カルト教団の一員が複数名たたずんでいるのが目に入ったピーターはパニックに陥り、屋根裏の窓から外へ飛び出し地面に落下、失神する。
倒れているピーターに何かが憑依すると直後にピーターは目覚める。彼が周囲を見回すとツリーハウスに首から上を失ったアニーが浮遊して中に入っていくのを見かける。庭の周囲にいるカルト教団員に見守られながらピーターもツリーハウスの中に付いていくように入っていく。そこにはジョーンと他のカルト教団員が集まっており、チャーリーの頭部が飾りつけられた像が祀られ、その前には首のないエレンとアニーがひれ伏していた。カルト教団員たちはピーターに王冠を被せて彼の前にひれ伏し、悪魔ペイモンの復活を祝うのであった。(Wikipediaより転載)
<感想>
すごく怖いという評判を聞いて観ました。最初はチャーリーが何かするのだと思っていたら、意外な展開にビックリ。あれは精神病みます。その後は普通に悪魔信仰かあ、と観たいたら…うん、結構怖いシーンが。いちばん驚いたのは天井で浮遊しながらワイヤーで。あの不自然な音が怖い、怖い。ラストは怖かったけどよく分からず…公式サイトのネタバレ解説を見て納得。全てが繋がっていたのですね。2度観て更に怖い映画だと思いました。