ゲット・アウト  GET OUT

ジョーダン・ピール監督。ダニエル・カルーヤ主演、アリソン・ウィリアムズ、ブラッドリー・ウィットフォード。アカデミー賞脚本賞受賞。2017年。

ゲット・アウト(字幕版)

<ストーリー>
クリス・ワシントンは恋人であるローズの実家に挨拶へ行くことになった。クリスが「何故君は僕が黒人であることを両親に伝えないのか」と尋ねると、ローズは一瞬動揺した素振りを見せたものの、「父さんと母さんは人種を気にするような人たちじゃないわ。貴方のことを歓迎してくれるはずよ」と答えた。ニューヨークの高級住宅街にあるローズの実家へ向かう途中、2人の乗る車は鹿に衝突した。クリスは撥ねてしまった鹿を見て何かを思い出していた。事故現場にやって来た警官がクリスに横柄な態度を取ったため、ローズは警官を一喝した。その一方で、事態をこじらせたくないクリスは、不快に思いつつも警官の質問に答えていった。
アーミテージ家に到着した2人は、ローズの両親であるディーンとミッシーから温かい歓迎を受ける。ディーンの案内で家を回ったクリスは、甲斐甲斐しく働くジョージナとウォルターに挨拶する。クリスはミッシーから「禁煙のために催眠療法を受けなさい」と言われたが、丁重に断った。家を一通り見て回った後、ディーンとミッシーから「明日はパーティーがあるんだ」と告げられたローズは露骨に嫌な顔をしたが、クリスは特に気にも留めなかった。クリスはケンカとスポーツに明け暮れているローズの弟、ジェレミーにも会った。その日の夜、クリスが一服するために家の外に出ると、ウォルターが家の周りを全力疾走していた。ジョージナに至っては窓を凝視していた(夜の窓ガラスに映った自分の姿に見惚れていた)。2人の奇行に恐怖を感じたクリスはミッシーの部屋に駆け込んだが、そこで彼は強制的に催眠療法を受けさせられた。催眠によって、クリスは母親が亡くなった夜を思い出す羽目になった。母親はローズと自分が撥ねた鹿と同じようにひき逃げに遭っており、子供だったクリスはその知らせを聞いてもショックのあまり動けず、何もできなかったのだという。催眠療法の最中、何故かミッシーは紅茶の入ったティーカップをスプーンで頻繁にかき混ぜ、音を鳴らしていた。
翌日、クリスは煙草を見ると強烈な不快感を抱くようになっていた。クリスはウォルターに話しかけたが、彼は昨夜の全力疾走はただの運動だった、などと決まり切ったことしか言わなかった。そうこうしているうちに、パーティーの招待客が続々とアーミテージ家にやって来た。ディーンは半ば興奮して招待客をクリスに紹介した。ほとんどの招待客が白人だったこともあって、クリスは少々気分を害した。黒人差別を受けているわけではないが、やたらとクリスのことを褒め、黒人の社会的待遇を聞いたり、ゴルフ経験を聞くだけでなくスイングを見せてくれと言われたり、体格を触って調べたりしてくる客ばかりだった。さらには、盲目の画商ジム・ハドソンに「僕は君の写真が大好きなんだ」と言われた。居心地が悪いクリスはアーミテージ家の2階に上がると、何故か招待客全員が静まり返り、2階を見上げていた。まるで客のほとんどがクリスを見るために訪れたようだった。
気分が悪くなる一方のクリスは、友人のロッドに連絡を取ろうとしたが、携帯電話の充電が切れていることに気がついた。ジョージナが充電コードを勝手に抜いていたのである。クリスはジョージナを詰問したが、彼女は「清掃中に誤って抜けてしまったんです。申し訳ありません」という。しかし、クリスが「パーティーの招待客が白人ばかりだから、僕はいらいらしているんだ」と言った途端、ジョージナは狂ったように「No, No, No…」と繰り返し、涙を流しながら笑い出してどこかへ行ってしまった。その後、クリスはローガンに出会った。ローガンはずっと年の離れた白人女性と結婚した黒人の青年で、アーミテージ家で働くスタッフと同様に感情表現に乏しく、まるで白人のような振る舞いだった。クリスはローガンの写真を撮ろうとしたが、フラッシュをオフにするのを忘れていた。光を浴びた瞬間、ローガンは突然鼻血を出しながら「Get out! Get out!(出ていくんだ!出ていくんだ!)」と叫びはじめ、クリスに襲いかかってきた。ローガンはミッシーの部屋に連行された。催眠療法を受けたローガンはすっかり落ち着きを取り戻していた。
気分転換のためにクリスがローズと外出していた頃、アーミテージ家では怪しげなオークションが開かれていた。が、その対象はなんとクリスであった。そしてオークションの結果、盲目の画商ハドソンが“落札”した。クリスとローズが家に戻る頃、招待客の白人は続々と帰っていくところだった。家に入る際ウォルターとジョージナは怪しげに微笑み、ジェレミーはギターを弾き、ディーンとミッシーもこちらを凝視していた。クリスはもう我慢の限界だったため、ローズにその事を伝え急遽帰ることになる。ローズが身支度をしている間クリスは自宅で愛犬の世話を任せているロッドに、倍ほど年上に見える白人の女といたローガン・キングの事を話す。ロッドは何やらピンときたようでネットで何かを調べ始める。実はその日パーティーで出会ったローガン・キングとは、以前から行方不明になっていた「アンドレ・ヘイワース」である事が判明した。二人は得体の知れない不安を感じ始めた。ロッドは警察署に行き、クリスの事を色々と話したが信じてもらえずまともに相手にされなかった。クリスは、部屋の奥にドアが開いているクローゼットを見つけそこに向かうと赤い箱があり開けるとローズが写っている写真が入っていた。その中には黒人のボーイフレンドらしき人物と写っている写真が何枚もありクリスはなおさら奇妙に思った。するとそこへ身支度を終えたローズが来た。やっと帰路につけるかと思えたその矢先、ローズが車の鍵を失くしたという。ローズが鞄の中を探している間にクリスは一階に下り、玄関のドアを開けようとするとタイミングを合わせたかのようにディーン、ミッシー、ジェレミーが3方向からやってくる。クリスはローズにまだ鍵は見つからないのかと問い詰めるがローズは見つからないため戸惑っている。だが、クリスはそれ以上に戸惑っているため思わずローズを怒鳴ると、ローズは鍵を手に持ちこれは渡せないと言う。そこからクリスは再び催眠術をかけられ、恐怖の体験をする事になる… 。(Wikipediaより転載)

<感想>
オススメに出ていたので観てみました。黒人差別の映画かな〜、と思っていたら、さらにエゲツなかったです。ローズは救いかも思ったのに、甘かった。親友が頼りになる、ハッピーエンドで良かったです。バッドエンドかとハラハラしながら観ていたので。黒人に憧れると言いつつ、人と見ていないのが最高にホラーでした。落ちにも、そういうことかー、と。面白い映画でした。