リメンバー・ミー  COCO

リー・アンクリッチ監督。声、アンソニー・ゴンザレス、ガエル・ガルシア・ベルナル、ベンジャミン・ブラット、アラナ・ユーバック。ピクサーのアニメ。2017年。

リメンバー・ミー (字幕版)

<ストーリー>
遠い昔、メキシコのサンタ・セシリア出身のある男が、音楽家になる夢を追いかけて家族を捨てる。残されたその妻ママ・イメルダは音楽を嫌うようになり、家庭に「音楽禁止の掟」を立て、習得した製靴で一人娘のママ・ココを育てる。製靴業は掟と共に代々引き継がれ、リヴェラ一族は靴屋として繁栄する。当のココは存命ながらも耄碌著しく、遙か昔に逝去した父のことばかり言っていた。そのひ孫で12歳のミゲル・リヴェラは他の家族と同様、靴屋を継ぐことを期待され、音楽はやるどころか聴くことすら禁じられていたが、密かにミュージシャンを志していた。彼が信奉するエルネスト・デラクルスは同郷の伝説的ミュージシャンで、『リメンバー・ミー』など誰もが知るヒット曲を連発するも、1942年にステージ上で曲を披露している最中に事故で亡くなった。ミゲルは家族に隠れて屋根裏に彼のグッズを並べ、自作のギターで彼の曲を弾いていた。
そして年に1度、他界した先祖が家族に会いにやって来るという「死者の日」、リヴェラ家でも先祖を迎える準備をしていた。自宅の祭壇には先祖の写真が飾られ、その中には幼き頃のココが入った家族写真もあったが、家族を捨てたという父の顔の部分は破られていた。そこでミゲルはその高祖父が持つギターがデラクルスのものと同じであることに気付き、高祖父はデラクルスだと思い込む。これに沸き立った彼はその写真を持ち出し、街の音楽コンテストで自分の演奏を披露しようと決心するが、それを発見した祖母エレナにギターを破壊される。諦めきれないミゲルは家を飛び出し、ギターを調達すべくデラクルスの霊廟に忍び込み、彼のギターを手にする。ところがそのギターを弾いた瞬間から、死者が骸骨の姿で見えるようになり、逆に生者からは自分が見えなくなってしまう。
ミゲルはその場に居合わせたリヴェラ家の先祖達と共に死者の国へ行き、なぜか生者の国へ行けずにいた高祖母のイメルダに解決策を請うと、「死者の日に死者の物を盗んだ生者は死者の国に飛ばされる」「生者が死者の国で日の出を迎えると帰れなくなる」「生者の国の祭壇に写真が飾られていない者は死者の国から出られない」といった掟を伝えられる。そして、生者が死者の国から帰るには、先祖に許しをもらうだけでいいという。イメルダはミゲルに写真を祭壇に戻すよう告げ、許しを与えようとするが、「二度と音楽をしない」という条件を付けたため、ミゲルは代わりにデラクルスに許しをもらおうとその場から逃げ出す。すると、自分をデラクルスの友達だと言い張る男ヘクターと出くわす。彼はまだ存命の娘に会いたいと願っていたが、誰も彼の写真を飾っておらず生者の国に行けずにいた。ミゲルの話を聞いたヘクターは自分の写真を彼に渡し、デラクルスへの対面を手伝う代わりに生者の国で自分の写真を飾るよう頼む。
死者の国でも開催されている音楽コンテストで優勝すれば、デラクルスの豪邸で執り行われるパーティーに招待されると知った彼らは、手始めにヘクターの友人にギターを借りに行くが、そこで、生者の国で誰からも忘れられると死者の国からも消滅してしまうという「二度目の死」を目にする。ミゲルは、寂しく消滅してしまったヘクターの友人が遺したギターを手に、コンサートで『ウン・ポコ・ロコ』をなんとか演奏し切り、大喝采を浴びるが、リヴェラ一族がコンサート会場にミゲルを捜しに来たため、表彰式を待たず逃げ出す。更にミゲルは些事でヘクターと喧嘩をし、単独行動を取る。当てもなくデラクルスのパーティー会場に来たミゲルは、コンテストで優勝したバンドの手助けで会場に忍び込み、遂にデラクルスと対面する。彼も自分の玄孫に会えたことを喜び、ミゲルに許しを与えようとする。
その時、2人の前にヘクターが現れ、ある真実が明かされる。ヘクターは生前、デラクルスと共に音楽活動をし、そこで作詞作曲をして旅をしていたが、ヘクターがこれをやめて家族が待つ故郷へ帰ろうとすると、デラクルスは彼を毒殺し、その後は彼が遺したギターや、娘のために書いた『リメンバー・ミー』など数々の曲を自分のものと偽って活動していたのである。デラクルスは生者の国でこれが明かされないようミゲルが持っていたヘクターの写真を奪い、2人を町外れの地下洞窟に落とす。ヘクターが絶望の中、思い出として語った娘の名は「ココ」。即ち、ミゲルの本当の高祖父はデラクルスではなくヘクターであったのである。ヘクターが生者の国に行こうと必死だったのも、ココが父を忘れかけており、ヘクターに二度目の死が近付いていたからであった。そこへミゲルを捜していたイメルダが空飛ぶアレブリヘに乗って現れ、彼らを助け出す。
ヘクターが家族を捨てた訳ではなかったことと再び家族の元へと帰ろうとしていたことなど、全ての事情を知ったリヴェラ一族は、ヘクターの写真を取り返すべくデラクルスのコンサート会場へ乗り込むが、ステージ裏で乱闘になり、写真は失われてしまう。ところが、デラクルスがその場で語った真実はリヴェラ一族の1人が観客席に繋いだカメラによって暴露され、デラクルスは途端に非難の的となる。そして、巨大なアレブリによって会場の外へと追いやられ、デラクルスは自身が死んだときと同じ様に鐘に押し潰された。イメルダは、日の出とヘクターの二度目の死が近付く中、ミゲルを無条件で許し、生者の国へ送り返す。
生者の国へと戻ったミゲルは、ヘクターの消滅を防ぐため、急いでココの元へ行き、エレナや家族の制止を振り切って、ヘクターが作った曲である『リメンバー・ミー』を演奏する。するとココはたちまち父であるヘクターのことを思い出し、大切に保管していた家族写真の破られたヘクターの顔の部分の切れ端を取り出す。ココはヘクターが生前家族に送った手紙や楽譜なども大切に保管しており、人々はたちまちデラクルスの悪行を知ることとなる。これにより、ヘクターの功績は一気に世間へと知られることとなり、デラクルスの霊廟には「忘れてやる」という看板が立て掛けられ封鎖された。
翌年の死者の日、祭壇には破られた部分を修復したヘクター、イメルダ、ココの家族写真に加えてココの写真も並び、ココは死者の国で両親と再会を果たしており、生者と死者が揃ったリヴェラ一族の前で、ミゲルはギターを手に歌を披露するのであった。 (Wikipediaより転載)

<感想>
さすがピクサー。良い意味で裏切ってくれました。冒頭の家族の過去説明が、まず楽しくて引き込まれます。そして死者の国の美しいこと。日本ではお盆の色々も怠りがちですが、メキシコではまだこんなに丁寧に先祖のお迎えをしているのでしょうか。素晴らしいですね、良い習慣だなと思いました。ストーリーはありきたり…かと思いきや、しっかり泣かせてくれて、さすがピクサー!勧善懲悪もバッチリ!おばあちゃんには一言、謝って欲しかったなあ、なんて思いましたが。あるいは、音楽を今まで拒否していた後悔の念とか。まあ、過去があるから仕方ないのか。映像も音楽も良くて、楽しい映画でした。本当に、さすがピクサー、です。3回言った。