ラース・フォン・トリアー監督。キルステン・ダンスト主演、シャルロット・ゲンズブール、キーファー・サザーランド。2011年。
<ストーリー>
第1部、ジャスティン。新婦ジャスティンはマイケルとの結婚披露宴のため、家族や友人達が集まった、姉クレアとジョン夫妻の邸宅へと向かっていた。大幅な遅刻で始まった披露宴。しかし離婚した母親はこの場にふさわしくないスピーチをするし、父親は複数の女性を同伴しイチャイチャ、上司はキャンペーンのキャッチフレーズを考えてくれと言い出す。そして当のジャスティンも憂いを隠せず、客を放置したまま浴槽に浸かったり、果ては邸宅から抜け出し、見知らぬ男性との野外での性行為…。第2部、クレア。鬱状態で何も出来なくなったジャスティンを、姉クレアは引き取って世話を始める。一方、天文学者のジョンは、惑星メランコリアの接近を楽しみにしていた。クレアは衝突が心配になるが、メランコリアは地球の横を通り過ぎるとネットにも書かれていたので、安心する。最接近の夜、皆でメランコリアを確認し、疲れて眠るも、翌朝、メランコリアの大きさがまた大きくなっていることに気付いたクレアは…。
<感想>
最初の10分、映画の総集編のような象徴的な映像が、音楽と共に流れます。静止画ではなく、微妙に動くその映像の美しいこと。これは大画面で観たかったです。それに続く披露宴の様子は、正直私にはドン引きで、ジャスティンって何者?という感じでした。ところが第2部では、大いにジャスティンに感情移入し、こうありたいと思いました。キルステン・ダンスト、適役ですね。
(以下、ネタバレ含みます)
ヒーローが全く出てこない、一般人ならこうなるだろうな、という惑星衝突=人類滅亡?の瞬間。命を絶ってしまったジョン…パニックになるクレア…甥を励まし、肝の据わっているジャスティン。私ならどうするかな、と考えました。やはり子どもをしっかり抱きしめていたいかな。
さすが『奇跡の海』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『ドッグヴィル』の監督。鬱になりそうで、人には余り勧められないです。でも傑作だと思いました。