DETECTIVE CONAN THE LAST WIZARD OF THE CENTURY   名探偵コナン 世紀末の魔術師

こだま兼嗣監督。声、高山みなみ、山口勝平、山崎和佳奈、神谷明、高島雅羅。劇場版『名探偵コナン』シリーズの3作目。1999年。

劇場版 名探偵コナン 世紀末の魔術師 [DVD]

<ストーリー>
ある日の夜、吉田歩美が眠りにつく頃部屋のベランダに人影が現れ、窓を開けて確認してみると白いマントに身を包んだ男が月を背にして佇んでいた。彼は歩美に挨拶を告げたあと、自分を追ってきた中森警部に捕まる前にハンググライダーで飛び立っていった。彼の名は怪盗キッド、探偵である江戸川コナンのライバルだった。
鈴木財閥で新たに発見されたロマノフ王朝の遺産「インペリアル・イースター・エッグ」を狙うという怪盗キッドから「黄昏の獅子から暁の乙女へ 秒針のない時計が12番目の文字を刻む時 光る天の楼閣からメモリーズ・エッグをいただきに参上する」という予告状が届き、江戸川コナン一行はエッグが展示されている大阪へと向かことになった。
依頼主・鈴木会長と面会しその概要を聞くコナンたちだが、問題のエッグは数億円かけても手に入れようとする者は大勢いるという。そのエッグはニコライ2世が子供たちにアルバムをめくるからくりがサプライズとなっていた。キッドがエッグを狙う目的は金目当てなのかとコナンは考えるが、今までの盗品は全て返すといった犯行からはとてもそうは思えなかった。予告状はこれまで通り文章による暗号で示され、キッド専任の刑事・中森警部の推理で何日に盗まれるかまでは分かったものの、その時刻や場所についてはあやふやなままだった。中森警部はエッグを手中に収め、ひとまず自分たち警察の手でそれを保護しようとする。
一方で、コナンたちは服部平次、遠山和葉と合流し、平次と共に大阪の街を歩きながら予告状の暗号を解くが、それが完全に分かったのは犯行時刻ギリギリになってからだった。結局エッグは眠らされた中森警部らから怪盗キッドに奪取されてしまい、キッドはハンググライダーで空に飛び立って逃げようとする。それをバイクで追うコナンと平次だが、肝心の運転手である平次は交通事故を起こし動くことすらできなくなる。コナンは阿笠博士の発明品のスケートボードでキッドを追うが、速度の違いもあり逃がしてしまうことは避けられない状況だった。しかし、逃亡中のキッドは追跡していたコナンの目の前で何者かにモノクル越しに右目を拳銃で狙撃され海に墜落する。エッグを取り返すことには成功したもののキッドの安否、そしてその犯人は警察による大規模捜査でも確認できない状態だった。
ひとまずエッグを安全な場所へ運ぶことになり、コナン一行、そしてエッグは神奈川へ向かうため豪華客船で移動する。だがその船内では、自室を荒らされ右目から頭を貫かれた寒川竜の銃殺体が西野真人により発見された。すぐさま東京からヘリで警察が到着し、寒川の遺留品から貴重な芸術品が紛失していること、そしてそれが西野の部屋から発見されたことが判明する。それに西野自身が第一発見者であることを踏まえると彼が犯人であると疑わせる状況は十分だった。だが荒らされた部屋には布団から出た羽毛が散乱し、西野が重度の羽毛アレルギーであることから、彼は犯人として考えにくい状況となる。
そんな中、キッドと寒川の共通点である”右目の狙撃”をキーポイントにコナンは阿笠に電話を掛け、過去にそれを連続して行なっているような人物がいないかどうか調べてもらう。阿笠が調査した結果、ICPOのWEBサイトで指名手配中の重罪犯を調べてみたところ、ある1人の人物がそのまま該当したらしい。その人物とは、右目を拳銃で狙撃し殺害するロマノフ王朝の財宝を狙い続ける国際指名手配犯、スコーピオンだという。
一方、船内で殺人が起こる前に、件のエッグの元の所有者だった香坂家の令嬢・香坂夏美は、そのエッグの製作者である彼女の曾祖父・香坂喜市が残したエッグの設計図を面々に見せる。それは大きさが異なる2つのエッグの設計図が破損した後に張り合わされて1つのエッグの設計図に見えるようにしたものであり、件の51個目と対になる52個目のエッグの存在を示唆するものであった。52個目は香坂家の邸宅にあると考えたコナンら一行は翌日、横須賀市にある香坂邸へ向かう。
香坂邸の隠し区画にあった52個目は上部に複数のレンズがあり中身が空っぽだった。コナンの言う事を聞かずに付いて来た吉田歩美は、それが51個目を入れるマトリョーシカだと気付き、一行が52個目が置かれた台座の下にペンライトを設置し51個目を入れると、天井にニコライ2世一家の写真が投影された。この2つのエッグは香坂喜市が妻のために個人的に作ったエッグだったのだ。(Wikipediaより転載)

<感想>
娘に付き合って観ました。劇場版を観るのは6作目です。 ロマノフ王朝の遺産だという「インペリアル・イースター・エッグ」と謎解きのスケールが大きく、ロマンあふれる楽しい作品でした。帝政ロシア末期の怪人物、グリゴリー・ラスプーチンなんて、名前だけでワクワクしてしまいます。関西ということで登場のキャラ、服部平次、遠山和葉が前半で退場したのはちょっと残念。怪盗キッドの活躍は格好良かったです。後半の豪邸での冒険も楽しく、大人でも楽しめる良作だと思います。