ピーター・ジャクソン監督。シアーシャ・ローナン主演、スタンリー・トゥッチ、マーク・ウォールバーグ、レイチェル・ワイズ、スーザン・サランドン。2010年。
<ストーリー>
1973年、12月6日。14歳のスージー・サーモンは、父ジャック、母アビゲイル、妹リンジー、弟バックリーの5人家族で幸せな日々を送っていた。しかし初恋の相手レイからデートに誘われた日、スージーはトウモロコシ畑で近所のミスター・ハーヴィに無残にも殺されてしまう。父は犯人捜しに明け暮れ、母はそんな夫に付いていけなくなり家を出て、家族はバラバラ。天国と現世の境に辿り着いたスージーは、犯人への憎しみや、崩壊していく家族への想いに…。
<感想>
「私は14歳で殺された」この衝撃なフレーズに、観るべき映画、と思いました。そして実際に観た感想は…うーん、総合的には今ひとつ、惜しい、という感じです。でもダメかというとそんなことはなくて、私は楽しめました。
犯行が起きるまで、そして犯行が起きてスージーがそれを自覚するまでがなんともサスペンス。霊感少女が逃げるスージーの姿を見るシーンにはドキドキしました。でも彼女、その後、捜査に協力するということもなく(そういう映画ではない&そこまでの役ではない?)、レイと仲良くなったのに「?」まあ、ラストシーンで納得しましたが、14歳で望むのはそういうことなのかな?とか、綺麗で感動!とか、対比して沈んでいくアレは…とか、いろいろ考えさせられました。
家族の設定はとても良かったと思うのに、誰もがいまいち生かし切れていなくて残念でした。お母さん、2人もまだ子どもがいるのに出て行ってしまうの?おばあさん、良い味だしてますが、何か浮いてます…。お父さんも無謀な行動でボコボコにされちゃうし。妹は良かったです、かなり大胆ででしたが、息止めて見ました。ただ、あんなのを見付けちゃうのは、ちょっとご都合主義?な気もしました。
天国と現世の境が、本当に美しくて、こんなに綺麗なら良いなと思いました。そしてスージーが仲間の存在に気付くシーンの素晴らしいこと。忘れられないシーンになりそうです。天国へと導かれる瞬間は…魂が昇華されるってこういうことかな、って涙がでました。アメリカの死後観、以前観たロビン・ウィリアムズの映画も少し似た世界でしたが、こういうのものでしょうか。
勧善懲悪、犯人逮捕を期待していると、肩すかしになりそうです。この映画、こういう風になるかな?という期待をことごとく裏切ってくれました。サスペンス、ファンタジー、ラブロマンス、ファミリー、どれも当てはまり、どれも当てはまらない気がします。メインは、スージーが前世から解放され天国へ行く話、なのかな。