母べえ

山田洋次監督。吉永小百合主演、浅野忠信、檀れい、坂東三津五郎。2008年。

母べえ(限定生産スペシャルプライス) [DVD]

<ストーリー>
昭和15年。ドイツ文学者、野上滋と妻、佳代は長女、初子と二女、照美の4人家族。野上家では、父のことを「父べえ」母のことを「母べえ」、娘達を「初べえ」「照べえ」と呼び合っていた。貧しいながらも楽しく暮らしていた一家だが、父親が治安維持法違反の思想犯として投獄されてしまい、生活が一変する。滋の教え子、書生の山崎徹は支援に訪れ、以後、女3人の野上家をあれこれと助けるようになる。父を信じ、尊敬し、辛抱強く帰りを待つ3人だが…。

<感想>
この手の映画を批判するって出来ないなあ、と思いました。本当に大変な時代で、当時の日本を生き抜いてきた人達に、尊敬の念しかありません。
吉永小百合、あのお歳なのにさすがです、違和感がありません。私が一番気に入ったのは、山ちゃんの設定でした。良いです、そして最後は泣かされました。笑福亭鶴瓶、こんな叔父さん、私も嫌ですが、上手かったです。ここまで貫いていたら、憎めませんね。滋の妹といい、皆、脇役が良い味を出していたと思います。
原作は野上照代の自叙伝『父へのレクイエム』、自叙伝ですが、父親の行く末は映画とは違うそうです。父親があそこまで意固地に考えを変えないのは、素晴らしいと思う反面、家族は大変だと思いました。祖父が怒るのも無理ないかも、と少し思いました。時代が時代、ですからね…。
あと個人的には、「〜べえ」とやたら呼び合うのは、ちょっと鬱陶しかったです。