愛を読むひと　　THE READER

スティーヴン・ダルドリー監督。ケイト・ウィンスレット主演、レイフ・ファインズ、デヴィッド・クロス。アカデミー賞主演女優賞受賞。2008年。

＜ストーリー＞
第二次世界大戦後、1958年の西ドイツ。15歳のマイケルは学校の帰り道に気分が悪くなっていたところを、21歳年上のハンナという女性に助けられる。元気になったマイケルはお礼をするために再びハンナの部屋を訪ね、それから２人は裸で愛し合うようになる。ハンナはマイケルの朗読を誉め、２人は情事の前に朗読をするのが習慣となった。マイケルはハンナを愛していたが、ある日忽然とハンナは姿を消してしまう。８年後、大学で法律を学んでいたマイケルは、ホロコースト裁判の見学に行き、そこで被告席にいるハンナを見付ける…。

＜感想＞
前半の情事シーンがすごいと聞いていました。確かに素晴らしい脱ぎっぷりでしたが、私には必然だと思えました。それよりも２人で旅行に出かけるシーンがとても印象に残っています。旅先で入ったレストラン、そこでハンナの秘密を知る手がかりがありました。
後半はガラリと変わり、ホロコースト裁判というとても緊迫した雰囲気となります。ハンナは秘密を守るため、仲間の罪を１人で被る事を決意します。その結果は無期懲役。それでもハンナは秘密を守るのを選び、マイケルもそれを尊重するのです。それほどの決意を、どうして無下にできるでしょう。ここまでマイケルを演じていた俳優さん、とても素晴らしかったです。
そしてテープレコーダーで朗読をハンナに送り始めるマイケル。活き活きと輝き始めたように見えたハンナは、哀しい最期を迎えますが、これは見ていてとても辛いシーンでした。ホロコーストの生き残りの女性を訪ねるシーンも、簡単にハッピーエンドとはいかず、問題の深さに胸が痛みました。
ウィンスレット、主演女優賞受賞納得の演技です。