アリ・アスター監督。ホアキン・フェニックス主演、ネイサン・レイン、エイミー・ライアン。2023年。
<ストーリー>
著名な実業家を母に持つ中年の男ボー・ワッサーマンは、極度の不安感に苦しみながらも治安の悪い地域で一人暮らしをしている。ボーを妊娠した初夜に腹上死したと聞かされている父の命日に母を訪ねるつもりだったが、目を離したすきに玄関先で荷物と鍵を盗まれて飛行機に乗り遅れてしまう。さらにホームレスに部屋を占拠されてしまい、屋外で一夜を過ごす羽目になる。翌日、母に電話をかけると、電話にはUPSの配達員が応答する。彼は配達に訪れた家で、落下したシャンデリアで頭部の損壊したボーの母親とみられる遺体を発見し、警察に通報したと伝える。うろたえるボーは、部屋にいた侵入者に驚いて路上に飛び出し、警官に助けを求めるも誤解されて銃を向けられ、逃げようとしたがトラックに跳ね飛ばされ、挙句の果てに連続殺人犯に腹部と手を刺されてしまう。
2日後、ボーはグレースとロジャーという夫婦の家で目を覚ます。家にはふたりの娘のトニと、亡くなった息子の戦友で精神的に不安定なジーヴスも一緒に暮らしていた。ボーが母モナの弁護士コーエンに電話をすると、モナはボーの立会い無しに埋葬をすることを許しておらず、遺体をこのまま安置しつづけることは宗教的に死者への辱めであると強く言われる。しかし予定は何日も遅れ、ついに出発できるとなったその日にはトニがペンキを飲んで自殺、グレースはそばにいたボーを責め立てる。森へ逃げ込んだボーを、グレースは武装したジーヴスに追わせる。
森で迷ったボーは、旅回りの劇団に出会い、彼らの芝居を鑑賞する。洪水で離散した家族を探して生きる劇の主人公に自分を重ねていると、見知らぬ男がやってきて、ボーの父親はまだ生きていると告げる。劇は途中でジーヴスの襲撃を受け、何人もの死者を出す。そしてボーはまた逃げ出す。
ヒッチハイクで母の屋敷にたどり着いたボーだったが、葬儀はすでに終わっていた。その晩、葬儀の時間を間違えた女性が同じように遅れてやってくる。その女性は、ボーが10代の頃に母親と乗ったクルーズ船で出会い、再会を約束した少女エレインだった。去ろうとするエレインを呼び止め、過去の約束の話をしたふたりは母親の部屋でセックスをするが、彼女はオーガズムとともに亡くなってしまう。その時、死んだはずの母モナが現れ、彼のことをずっと監視していたと明かす。ボーがこれまでセラピストと話していた内容も録音されており、モナは彼の自分への愛情の希薄さを責める。一方のボーが父親についての真実を求めると、モナは彼を屋根裏部屋へ連れて行く。そこには鎖に繋がれて閉じ込められたボーの双子の片割れと、さらに父親がいた。その父親とは、巨大な男性器の形をした怪物であった。ボーがあっけにとられていると、ジーヴスが窓を突き破り屋根裏部屋に乗り込んでくる。ジーヴスはその怪物と戦い始めるが、怪物の鋭利な腕で頭を貫かれて殺されてしまう。ボーはモナに許しを請うも、彼女は彼のことを憎んでいると言う。ボーは激昂し、モナを絞め殺そうとするが途中で手を離す。しかし、モナはそのまま倒れこんでしまう。
動転したボーはモーターボートで屋敷をあとにするが、暗い洞窟の中でボートのモーターが動かなくなる。ふいに明かりがつくとそこは、巨大な闘技場のような場所で、ボーは自分が大勢の観衆に囲まれていることに気づく。モナとコーエンが検事役として登場し、ボーのこれまでの罪を裁こうとする。ボーについていた弁護士は、弁護の途中でモナの部下に投げ落とされて死んでしまう。ボートに足を固定されてしまったボーが母に、観衆に助けを求めるも誰も彼に応じない。もはやなんの望みも無いと悟ったボーは、諦めきった表情でボート上に立ち尽くす。ボートは突如として転覆し、ボーは溺れ死ぬ。「私のベイビー!」と叫ぶモナ、彼女に寄り添うコーエン、そして観衆は去ってゆく。(Wikipediaより転載)
<感想>
3時間という長い映画。予告を観た時に観たい!と思ったのですが、余りの長さに躊躇って止めました。そしたら半年経たず配信に来たので視聴。
うーん、覚悟はしていましたが、ありえないだらけのストーリー。ボーの心情風景なんだろうなあと、それなりに楽しく観ましたが、確かにこれは恐れるわ。母との関係が大きく関係しているのは間違いないですが、この中に事実はどれくらいあるのか。最後、転覆して終わりには驚いて、まだ何かあるかとクレジット最後まで見ちゃいました。何も無かった…。
怪作ですが、3時間はやはり長いなあ。でもつまらなくは無かったです。