ジョン・カーペンター監督。カート・ラッセル主演、A・ウィルフォード・ブリムリー、ドナルド・モファット、キース・デイヴィッド。ジョン・W・キャンベルの短編SF小説『影が行く』の映画化。1982年。
<ストーリー>
約10万年前、宇宙から飛来した円盤が地球に引き寄せられ、大気圏で炎に包まれながら南極へと落下した。
1982年、冬の南極大陸。ノルウェー観測隊のヘリが、雪原を駆ける1匹の犬を追って、全12名の隊員がいるアメリカ観測隊第4基地へ現れた。銃や手榴弾を使い執拗に犬を狙うが失敗し、手違いからヘリは爆発。一人生き残ったノルウェー隊員は基地内へ逃げた犬を追って銃撃を続け、基地の隊員を負傷させてまで必死になって殺そうとするが、隊長のギャリーにより射殺される。
ノルウェー隊に一体何があったのか、真相を究明すべく、観測基地へ向かったヘリ操縦士のマクレディらが見つけたものは、焼け落ちた建物、自らの喉を切り裂いた隊員の死体、何かを取り出したと思しき氷塊、そして異様に変形し固まったおぞましい焼死体だった。一行は調査のため、残されていた記録フィルムと焼死体を持ち帰る。
生き延びた犬は基地内を徘徊していたため、夜になると犬小屋に入れられた。その途端犬は変形し、グロテスクな姿の「物体(The Thing)」となり、他の犬たちを襲い始めたが、鳴き声を聞いて駆けつけたマクレディらにより火炎放射器で焼かれ撃退される。
ノルウェー隊の記録フィルムに映し出されたのは、雪原の巨大なクレーターと、約10万年前のものと推測される氷の層にある巨大な構造物を調査している場面だった。やがて持ち帰った焼死体が動きだし、蘇った「物体」が隊員の一人を襲ってその姿に成り代わった。結局その「物体」は、隊員たちの手で他の「物体」の死骸と共に外で焼却処分された。
調査の結果、「物体」は取り込んだ生物に同化・擬態して更に増殖することが可能で、コンピュータの試算により、もし人類の文明社会にそれが辿り着くと、およそ2万7000時間で全人類が同化されることが判明する。それを知った主任生物学者のブレアが誰も基地の外へ出られないようにするため無線機やヘリ等を破壊してしまい、基地は完全に孤立する。その環境で隊員たちは誰が「物体」に同化されているか判断出来なくなり、疑心暗鬼に陥る。そして知らぬ間に同化されていく隊員たち。このままでは皆が「物体」と化し、人類の文明社会へと出てしまう。果たして隊員たちの、そして人類の運命は。(Wikipediaより転載)
<感想>
まだ観たことがなかったので、傑作SFは見ておくべき、と観ました。なるほど、設定が秀逸です。南極でこんな状態になったら、もういっそ自ら命を絶ちたくなりますね。映像がまたグロテスクで素晴らしい。ラストもありがちな感じでなくて良かったです。一度は観ておきたい作品ですね。