ポール・グリーングラス監督。トム・ハンクス主演、バーカッド・アブディ、マックス・マーティーニ、キャサリン・キーナー。2013年。
<ストーリー>
2009年4月。ソマリア人漁師のアブディワリ・ムセはお金を稼ぐため、ノール・ナジェ、ワリド・エルミ、10代のアダン・ビラルを仲間に海賊行為を行うことを決めた。そして見付けたのが、コンテナ船マースク・アラバマ号。船長の名はリチャード・フィリップス、ケニアに援助物資を運ぶため、ソマリア海域に入ったのだ。ムセらの乗ったボートを見て、船長は警戒、機転を利かせて追い払うことに成功する。しかし次の日、また現れたムセらに、放水を行うも、梯子を使って遂に侵入されてしまった。乗組員が隠れていることにイラつくムセらは、フィリップスを人質に連れて船内の案内をさせるが、乗組員たちも協力してムセを人質に。人質を交換して、救命ボートで下船するように条件を出すが、海賊達はフィリップスを解放せずにそのままボートで連れ出してしまう…。
<感想>
実話の映画化です。フィリップスがラスト、弱気になったのを見て、これは実話なんだと急に実感しました。ずっと勇敢だったので、作り話のような気がしていたのだと思います。家族に手紙を残そうとするところに涙、死を覚悟したのでしょうね。アメリカの圧倒的な強さにムセと同じように呆然としながらも、圧巻は救われた後のフィリップスでした。これを描くために今までがあったのだと思いました。まだ子供で、フィリップスを気にかける様子も見せていたビラル、アメリカに住みたいと言っていたムセ、何とも切ない終わり方で、海賊憎しだけの映画になっていないのが見事でした。