園子温監督。吹越満主演、でんでん、黒沢あすか、神楽坂恵、梶原ひかり、渡辺哲。実際にあった埼玉愛犬家連続殺人事件を参考に作られた映画。2011年。
<ストーリー>
小さな熱帯魚店を営む社本信行は、妻を亡くした後に再婚した妙子と娘の美津子の3人で暮らしているが、家庭はバラバラだった。ある大雨の日、美津子が万引きをしたと連絡を受け、夫婦で謝りに訪れたスーパーで、人当たりがよく面倒見の良い村田幸雄という男に助けられた。同業者の村田は、3人を自分の店に招待し、美津子をこの店で働かせながら社会復帰させたいと申し出る。家を出たがっていた美津子は承諾、村田の妻の愛子と共に家族ぐるみの付き合いが始まった。しかし村田は段々と本性を現し、社本が気付いた時には既に取り返しの付かない状況に陥っていた…。
<感想>
グロイ、めっちゃグロイ。これほどまでに血なまぐさい映画は初めてかも知れません。と、ついそっちの方に目が行ってしまいがちですが、現実でもこうだったのでしょうね、きっと。解体の様子や台詞は実在の犯人の言葉だそうです。やはり一番怖いのは人間です。とんでもなく酷いことをしているのですが、やっている人間が不謹慎な冗談を言いまくりで…何とも不思議な、狂気の世界を作り出していました。私は初めから村田は胡散臭そうに思いましたが、実際にこういう人が目の前にいたら、思わず話を合わせてしまうかも知れません。良い人そうに見えるでんでんの演技が凄かったです。愛子や妙子役の女優さん達も、これはキツイ役だなあと思いました。よくやりました、素晴らしい、と頭が下がる思いです。
ストーリー展開ですが、ラストの唐突さに驚きました。どうして車に2人が乗っていたのでしょう?社本の表情は素晴らしいと思いましたが、娘の言葉は。救いのない終わり方にしたかったのかも知れませんが、そこまで何故?と疑問に感じました。だってそういう描写、無かったですよね?うーむ。
人にお勧めできる映画ではありませんが、すごい映画なのは間違いないと思います。