落合正幸監督。佐藤浩市主演、高嶋政伸、南果歩、佐野史郎。Jホラーシアター第一弾。2004年。
<ストーリー>
経営危機に陥っているある病院。医師も看護婦も足らず、医療器具も底をつき始めていた。急患を受け入れる余裕も無く、夜勤続きでスタッフ間の雰囲気も悪化している中、重度の火傷で入院している患者の容態が急変した。外科医の秋葉清一、内科医の魚住晴哉、婦長の塩崎君江をはじめ数人の看護婦が処置に当たるが、塩化カリウムと塩化カルシウムの言い間違いという些細な医療ミスにより、患者を死亡させてしまう。そして国からの交付金を受け取れなくなると言う理由から、ミスの隠蔽をすることにした。あれこれと画策した後、塩崎は救急入り口に放置された患者を見付ける。その患者は緑色の液体を垂れ流し、今までにみたこともない症状だった…。
<感想>
どうせならJホラーシアターを全部観てやるか、と思い観始めました。これはTVドラマ「世にも奇妙な物語」の「急患」というお話が原案だそうで、映画を観る前にネットで探して観てみました。いかにも「世にも〜」らしいお話でした。そして原案らしく、映画でも同じエピソードや台詞がいくつか使われていました。
さて、映画ですが、経営危機の病院という設定が良いです。急患受け入れの要請が来ても、応える人間がいない。急患の容態はどんどん悪化している、この緊迫感。私が入院した実際の病院は、夜中でも結構明るくて賑やかでしたが、イメージの病院はまさにこの映画のような感じで怖いです。ナースコールをしても全然来ないとか、こんな病院に絶対に入院したくないなあと思いました。そんな陰鬱な前半は面白いのですが、緑色の液体の患者が出てきてからは、変にSF的になり、ドタバタと人がどんどん死んでいき、ちょっと怖さが失せました。罪悪感から起こる精神的な怖さの方が良かったのにな、と思いました。
うーん、全ての辻褄を合わせるのは難しいですが、数々のエピソード、なかなか良かったです。