中田秀夫監督。尾上菊之助主演、黒木瞳、井上真央、麻生久美子、木村多江。三遊亭円朝の名作落語『真景累ヶ淵』の映画化。Jホラーシアター第四弾。2007年。
<ストーリー>
美しい顔立ちの煙草売り、新吉と、艶やかな姿と芸が評判の三味線の師匠、豊志賀が江戸の町で出会い、激しい恋に落ちた。豊志賀が年下の新吉に余りに夢中なため、弟子は急減、実の妹からも縁を切られるが、豊志賀には新吉しか見えない。言い争った際に目の横に出来た傷が元で豊志賀は寝込むようになり、このままではいけないと別れを決意した新吉だったが、それを知ったかのように豊志賀は命を落とす。「この後、女房を持てば必ずやとり殺す」と新吉に遺書を残して。実はこの2人、親を殺された娘と、殺した男の息子という因縁の関係で、新吉が早速、お久という女性と故郷へと逃げようとすると…。
<感想>
プロローグ、一龍斎貞水が語る講談がすごい迫力で見事です。これぞ日本、いっそこのまま全部やって欲しかったくらい。尾上菊之助はさすが歌舞伎役者だけだって、江戸の雰囲気にもマッチし、役柄にも説得力がありました。ただ女性陣が…悪くはないのですが、やはり今ひとつ。どうしても現代劇のような気がしちゃうのですね。最後はチャンバラのようにもなって、あらら、と思いましたが、ラストの悲しくも恐ろしい風景、綺麗でした。なかなか楽しめるし、悪くない映画だと思います。ホラーとしては、ビックリするシーンはありましたが、そんなに怖くありません。