THE CHEF OF THE SOUTH POLE  南極料理人

沖田修一監督。堺雅人主演、生瀬勝久、きたろう、高良健吾、豊原功補。西村淳原作のエッセイシリーズの映画化。2009年。

“南極料理人”

<ストーリー>
1997年。海上保安庁の巡視船厨房で勤務する主計士・西村淳は、同僚隊員・スズキの代理で急遽、第38次南極地域観測隊のメンバーとして南極大陸のドームふじ基地に派遣された。妻・みゆき、小学生の長女・友花、生まれたばかりの長男を置いての単身赴任で南極にやって来た西村の任務は、冷凍野菜や缶詰などの備蓄食料を使って、ともに越冬する隊員8名分の食事を用意することだった。
ドームふじ基地は、ほかの観測基地から遠く離れた「陸の孤島」であるうえ、標高3,810メートルに位置し、年間平均気温はマイナス54度以下であるため、ペンギンやアザラシといった動物はおろか、ウイルスさえいない壮絶な自然環境であった。貴重な水を得るためには、毎日、外の氷を大量に削り出して溶かす「造水」作業が不可欠であり、節水は絶対的なルールだった。基地の設備は、画像が乱れるテレビ、扉が小さくプライバシーを保てない共同トイレ、日本へ電話するのに1分740円かかるため、時間測定用の砂時計とともに使用される衛星電話など、不便を感じさせるものばかりだった。西村は毎日の食事を工夫し、隊員のストレスを和らげるのに腐心した。
当初は打ち解けなかったドームふじ基地の隊員たちは、かき氷用のシロップを使って氷原にラインを引き野球に興じるなど、遊びを通じて友情を育みつつあったが、極夜の季節になって外での活動が制限されるようになったうえ、夜食の楽しみだった備蓄のインスタントラーメンが底をついた(「ラーメンショック」)のを契機に、ストレスから小さな争いごとや、異常な行動を起こすようになった。そんな中、車両担当の「主任」が不要な頻度のシャワーで水を無駄遣いしていることが明らかになり、激怒した「平さん」と取っ組み合いとなる。止めに入った西村のお守りに入っていた長女の乳歯が氷床コア採集用の深い穴の中に落ちてしまい、落ち込んだ西村は料理作りを放棄して部屋に閉じこもってしまった。残された隊員たちは、おぼつかない腕前でから揚げを作った。二度揚げをせず、衣がベチャベチャのから揚げは西村の妻・みゆきが作るから揚げにそっくりであり、口にした西村は残してきた家族を思い出して号泣する。
ラーメンへの未練が捨てきれない「タイチョー」は、ある日、泣きながら西村にラーメンの作成を懇願するが、備蓄食料の中に、中華麺の製麺に不可欠であるかん水がなく、西村は苦悩する。すると科学者の「本さん」が「かん水はアルカリ性で、主成分はベーキングパウダーと同じのはずだ」と教え、西村は水にベーキングパウダーと塩を加えてかん水の代わりにすることを思いつく。西村はラーメンの自作に成功し、喜んだ隊員たちはオーロラの出現にも関わらずラーメンをすすり続けた。
赴任期間を終えて帰国し、防寒のために伸ばしていた髪とひげを剃ると、西村は長期間南極にいたことに実感が持てなくなったが、家族で訪れた動物園のフードテラスでテリヤキバーガーをほお張ったところ、思わず「うまっ」と叫び、味覚を通じて極限環境との落差を強く感じたのだった。(Wikipediaより転載)

<感想>
南極という閉鎖空間の中、お料理作りに奮闘し、それを皆で美味しいと食べる話なのかと思っていたら、結構違いました。せっかくの美味しい料理を、美味いとも言わず、ただ黙々と食べるだけなのに先ずガッカリしました。隊員たちはギャグ調にワガママで、こんなにサボっていて良いの?と莫迦にし過ぎてないか心配にも。でも笑えるところ、ジンとするところもたくさんありました。特にラーメンのシーンは良いですね。でも期待していたところとは違ったかな、という印象です。