イット・フォローズ  IT FOLLOWS

デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督。マイカ・モンロー主演、キーア・ギルクリスト、ダニエル・ゾヴァット、ジェイク・ウィアリー。2014年。

イット・フォローズ(字幕版)

<ストーリー>
ある少女が恐怖におののきながら逃げ回っている。周囲の人からは一体何に怯えているのか分からない。少女は車に乗り込み、不安の表情で海岸まで走らせる。夜の海岸で両親に電話をする少女。泣きながら何かを後悔している。車のライトはつけたまま、相変わらず何かに怯えている。夜が明けると少女は無残な姿で死んでいた。
ジェイは好意を寄せる男の子ヒューとデートをし、映画館の行列で暇つぶしに「誰になり替わりたいかゲーム」をしている。お互い周囲にいる人の誰になり替わりたいかを当てる他愛のないゲームだ。ヒューが当てる番になり、劇場の入り口に立っている黄色い服の女性を指さしていると言うのだが、ジェイにはそこに誰がいるのか全く見えなかった。途端にヒューは具合が悪くなったと映画館から出てしまう。ジェイはそんなヒューを不思議に思うも、遂に一夜をともにすることに。しかし、事が終わるとヒューが突然、睡眠薬を染み込ませた布でジェイを気絶させる。
意識を取り戻したジェイは廃墟にいた。下着のまま、イスに手脚を縛り付けられた姿で。ヒューはそこでジェイに話し始める。「あるモノがつけてくる。俺が感染した“それ”をさっき車の中で君にうつした。“それ”は時には知人に、時にはまったく知らない人に姿を変える。いろんな人間に見えるが、実態は1つだ。今から起きることをよく見ているんだ。」その直後、遠くから裸の女性がゆっくりと近づいてくるのが見える。ジェイは“それ”に殺される前に誰かにうつせ、と命令され、家の前に置き去りにされる。
その日からジェイだけに“それ”が見えるようになる。あるときは学校の廊下に老婆の姿で現れ、またある時は家の中に見たこともない大男の姿で現れ、またあるときは友人の姿で現れ、ゆっくりと近づいてくる。限りなく人間に近い姿で一直線に歩いて迫ってくる“それ”は近くにくるまで識別できない。
“それ”はゆっくりと歩いてくる。“それ”は人にうつすことができる。“それ”はうつされた者にだけにだけしか見えない。“それ”は様々な人間の姿になり変わる。“それ”はうつした相手が死んだら自分に戻ってくる。そして、“それ”に捕まったら必ず死が待っている。
果たしてジェイは、いつ、どこで現れるか分からない“それ”の恐怖から逃げきることができるのかー。(公式サイトより転載)

<感想>
クエンティン・タランティーノが絶賛のホラーと聞き、DVDを借りました。呪いの掛け方にもいろいろありますが、Hとはまた斬新だと思いました。おかげでエロいシーンの多い映画になると同時に、ちょっとした青春映画にもなっています。ジェイは大学生、普通、子供が死にそうになったら親が必死になって呪いを解こうとするものですが、この映画では親の顔が全く見えません。冒頭に出てくる少女も両親が出てくるのは声だけです。まだ大人になりきれていない少年、少女達は、自分たちでこの問題を解決しないといけないのです。ラスト、手を繋ぐ2人の後ろを歩くのは“それ”なのか…。
“それ”は変幻自在に姿を変えて迫ってきます。結構、ご都合主義だったりしましたが、なかなか怖かったです。正体不明というのが怖いですね。永遠に怖がり続けることになる、あと罪悪感に悩むことになる。地獄です。また、事実を伝えず、複数の商売女性と一夜を共にし、さらにその女性達が複数の男性達とことをなしたらどうなるのか?などと考えました。呪いは1人だけ有効なのでしょうか?