中田秀夫監督。黒木瞳主演、小日向文世、小木茂光。鈴木光司原作『浮遊する水』の映画化。2002年。
<ストーリー>
松原淑美は5歳になる娘、郁子を連れてあるアパートに見学にやってきた。淑美は現在、元夫と家庭裁判所で離婚調停中、娘の親権を巡って争っており、親子2人での再スタートとなる新居探しだった。古いアパートだが、十分な広さ、管理人の常駐、淑美は入居を決めた。しかしその日からもう天井の雨漏りに悩まされる。管理人に言っても埒があかず、淑美は調停と新しい職場で忙しく、雨漏りはそのままになっていた。しかし不審な子ども用の赤いバッグ、怪しい子どもの影、そして2年前に郁子の通っている幼稚園の子が行方不明になったままなのを知り…。
<感想>
同じ5歳の娘がいるので、これは泣けるかな、と期待して観たのですが。うーん、これは私がアメリカでしか子育てしたことがない故でしょうか、最初から違和感ありまくりでした。初めて行ったアパートで、勝手にドアから出て外へ行ってしまう5歳児。何故、そういうことはしてはいけないと言わないのか。そしてそんなことをする子だと分かっているのに、部屋に1人で置いて屋上へ行くって…。最後の選択が自分の子どもを守るためだったというのは分かりましたが、これって解決になったのか。だいたいあの子が望んでいたのは自分を見付けて貰うことではなく、母親だったんでしょうか。でも最初は子どもに憑いていましたよね。10年後の話も違和感です。どう見ても廃墟、あそこに済んでいる訳がないでしょう。分からない歳ではないと思います。結局、あの子は見付けられなかったのか…見付かったから廃墟となったのか。他の住人がほとんど出てこないのも謎でした。管理人も、何か感じているのかと思いきや、放置し放題。うーん?
濁った水、湿った雰囲気は日本のホラーっぽいなと思いましたが、余り怖くなかったです。テーマは親子の愛だったのだと思います。でも私には違和感ばかりが残りました。