ブラッド・アンダーソン監督。クリスチャン・ベイル主演、ジェニファー・ジェイソン・リー、ジョン・シャリアン、アイタナ・サンチェス=ギヨン、マイケル・アイアンサイド。2004年。
<ストーリー>
トレバー・レズニックは死体をカーペットでぐるぐる巻きにして埠頭へやってきた。海に放り投げようとして失敗、カーペットはくるくると広がり、中から死体が出てきそうだ。その時、懐中電灯でレズニックの顔を照らした男が問う、「お前は誰だ?」場面変わり、洗面所で手を執拗に洗っているレズニック。鏡に映った付箋には「お前は誰だ?」と書かれている。
レズミックは原因不明の不眠症でもう1年近く眠っていない。体重は減るばかり、もう30キロも痩せてしまい、馴染みのコールガールのスティービーに「それ以上痩せたら無くなっちゃうわよ」と言われている。レズミックの仕事は機械工、余りに痩せたので上司にはドラッグ中毒を疑われる始末だ。レズミックは毎晩、空港のカフェに行く。ウェイトレスのマリアはレズミックを気に掛けてくれている。時計を見ると午前1時半、何故かいつもこの時間だ。
さて、仕事場での休憩中、レズミックは赤い車に乗り、カウボーイブーツを履いたアイバンという男と出会う。そしてある時、仲間のミラーに手伝いを頼まれ、ふと目を向けると、溶接作業の仕事をしている彼と目があった。アイバンはにっこり笑い、首をかき切る仕草を見せた。それに動揺し、間違って機械のボタンを押してしまったレズニック。ミラーはその事故により片腕を失った。そして事情調査を受けたレズミックは、アイバンという人間は存在しないと言われ…。
<感想>
実際に30キロ近く体重を落としたというクリスチャン・ベイルの痩せ具合がスゴイです。しかもこの映画の撮影後には、すぐに次の映画のために30キロ以上体重を増やしたそうで、体を壊さないか心配になってしまいます。彼のこの体を見るだけでも価値がありそうです。
映画は私の好きなタイプの、観ている内に夢だか現実だか分からなくなっていき、最後に謎解き、しかもちょっと不気味というもの。怪しいヒントになるような物がたくさん出てきて、デイヴィッド・リンチを思い出しました。でもリンチの映画よりずっとわかりやすく、親切でした。分岐点の意味もハッキリしています。
こういう映画をよく観ているせいか、アイバンの正体はすぐに分かりました。問題は誰が?ということ。キーワードになるモノが不気味で、ドキドキしました。特に少年と行くお化け屋敷…まんま過ぎて怖いです。ハングマンの言葉探しは、簡単だろ!と思いましたが、本人がその単語を否定しているから、仕方ないのでしょうね。
ラストも納得のわかりやすさで、リンチくらい複雑だと観る人を限ってしまいますが、この映画は万人が楽しめる物だと思いました。