ジャスティン・チャドウィック監督。ナタリー・ポートマン主演、スカーレット・ヨハンソン、エリック・バナ。2008年。
<ストーリー>
16世紀のイングランド。新興貴族のトーマス・ブーリン卿には、アンとメアリーという美しい姉妹とジョージという息子がいる。トーマスは姉妹の叔父と、王妃キャサリンに息子が生まれず悩んでいる国王ヘンリー8世の愛人に、才気あふれる美しい長女のアンを差し出すことを目論み、国王を屋敷に向かい入れた。しかし王が心惹かれたのは、アンの妹で結婚したばかりの心優しいメアリーだった。宮廷に呼び出されたメアリーは、王の愛人となり子どもを身籠もる。無事の出産のため、安静を言い渡されたメアリーは、国王に会う事ができない。そこでフランスに追放されていたアンが、国王がメアリーを忘れないようにと父から呼び戻される。しかしアンは国王に簡単になびかないというじらし作戦で気を惹き、無事に男の子を産んだメアリーと二度と会わないと約束をさせ、メアリー親子を田舎に追いやってしまう。そして国王にキャサリンとの離婚を要求する。カソリック信者の国王は離婚はできないが、結婚は向こうであると無理を通し、終にはローマ教会と離別までして、国王はアンを王妃にしたのだが…。
<感想>
『ある公爵夫人の生涯』を観て、この映画も観たくなりました。この映画もまた、簡単に「アンは悪い女」とは描かれていない、奧の深いものでした。メアリーへの仕打ちに、彼女はもうアンを絶対に許さないだろうと思いきや、アンのために働くメアリー。それは掛け替えのない姉妹だから。そしてアンも悪女であるだけでなく、女性として悩み、苦しみ…男性社会に翻弄された哀しい女性の末路を見たと思いました。個人的にはメアリーに惹かれましたが。
史実が気になり調べてみたところ、アンは妹らしいので、映画はかなり脚色されているようです。エリック・バナも良い男過ぎますかね。どうやら女性達が子どもで苦しんだ原因は、国王の下の病気らしいですし。それにしても衣装が素敵でうっとりしました。とてもお洒落です。
そうそう、キャサリン王妃役が、あのアナ・トレントでした。あの目で語る演技は健在で、毅然とした王妃が美しかったです。適役ですね。