武士の一分

山田洋次監督。木村拓哉主演、檀れい、笹野高史、坂東三津五郎。2006年。

武士の一分 [DVD]

<ストーリー>
幕末。三村新之丞は、近習組に勤める三十石の下級武士。藩主の毒見役という不本意なお役目に嫌気がさしながらも、美しく気だての良い妻、加世と、父の代から使える徳平と平和な日々を送っていた。しかし、いつものように毒味をした新之丞は激しい腹痛で倒れてしまう。高熱に何日も苦しんだ新之丞がようやく意識を取り戻すと、ツブ貝の毒により、視力を失ってしまっていた。一時は人の世話にならないと生きていけない現状に絶望し命を絶とうとするが、加世のために思いとどまる。そして藩主からも寛大な沙汰を貰い、平和な日々が戻ってきたかに見えた時、新之丞は加世の不定の噂を聞く…。

<感想>
山田洋次監督×藤沢周平原作時代劇三部作の最終作品です。
アメリカでもDVDが発売されたので、観てみました。最初の台詞を聞いた時、「え、これって台詞は現代?」と驚きましたが、すぐにそうではないと分かりました。そんな感じではじめは違和感のあった木村拓哉ですが、すぐに馴染み、話に入り込めました。離縁は武士なら当然なのでしょうね…どうしようもない切なさに苦しくなりました。木村の演技は悪くないと思いましたが、クライマックスの決闘シーンはいまひとつ…これは演出の問題かな?妻の加世と徳平はとても良いです。あと日常のシーンが素晴らしいと思いました。質素な生活ながらも、2人が愛し合っているのがとてもよく分かりました。なのでラストシーンでは思わず涙、幸せな終わり方で本当に良かったです。