ポール・グリーングラス監督。J・J・ジョンソン、ゲイリー・コモック、ナンシー・マクダニル、ハリド・アブダラ。2006年。
<ストーリー>
2001年9月11日朝。サンフランシスコ行きのユナイテッド航空93便は、40名の乗客を乗せ離陸を待っていた。その同じ頃、航空管制官たちはアメリカン航空のハイジャック疑惑に揺れていた。そして遅延していたユナイテッド93離陸後、ワールド・トレード・センターに2機が激突。その後ユナイテッド93の機内では、テロリストが爆弾を持って操縦室を制圧、機内はパニックになった…。
<感想>
観始めてすぐに実際の映像を見ているような感覚に陥りました。有名俳優が一切出ていない、主役がいない、撮影が手持ちカメラで揺れている、というのが原因です。まるでドキュメンタリーです。いかにあの時、情報が交錯し、管制官や空軍(本人が演じているのが多く驚きました)が振り回されていたのかよく分かりました。最後の機内での様子では、「これが映画だったら助かったろうに…」と何度も何度もつぶやいてしまいました。実際、機内でどのようなことがあったかは、映画『パーフェクト・ストーム』と同じく想像でしかありません。墜落ではなく撃墜されたのだという噂もあります。それでも搭乗者が亡くなったことには代わりはなく、淡々と描かれ音もないラストには言葉もありませんでした。