セディク・バルマク監督。マリナ・ゴルバハーリ主演、モハマド・アリフ・ヘラーティ。2003年。
<ストーリー>
タリバン政権下のアフガニスタンの首都、カブール。祖母、母親と3人で暮らしている少女は、生きる糧を得るため、髪を切り、少年の姿に変わって働きに出る。死んだ父親の友人であるミルク屋のもとで働いていると、ある日、街の全ての少年がタリバンの宗教学校に召集されることになり、少女も連れて行かれてしまう。やがてまわりの少年たちに「女だろう」と怪しまれ、その騒ぎに気づいたタリバン兵が、少女を井戸に吊るし…。
<感想>
2004年ゴールデングローブ賞外国語映画賞ほか、いろいろと受賞している作品です。タリバン政権下では、女性が身内の男性を同伴せずに外出すると刑罰が加えられるそうで、ヒロインの家族のように戦争で一家の男性を全員失った場合、本当に映画のようなことが起こらないとも限りません。タリバン政権の話はいくつか読んでいましたが、本当に女性には厳しい社会です。主役の少女は全くの素人だったそうですが、哀しい瞳が印象的でした。また生きるためとは言え、結果的に少女を犠牲にしてしまった母と祖母を怖いなとも思いました。