ラージクマール・ヒラーニ監督。アーミル・カーン主演、R・マドハヴァン、シャルマン・ジョーシー。インド映画。2009年。
<ストーリー>
9月5日。大学時代親友同士だったファルハーンとラージューは、同窓のチャトルから母校へ呼び出される。その日は10年前、ファルハーンらのもう1人の親友であるランチョーと、チャトルが「10年後の今日に母校へ戻り、どちらがより成功したかを見せ合う」という賭けをした日付だった。しかしランチョーの姿はない。ランチョーは大学卒業以来消息を絶っていた。チャトルは、ランチョーがシムラにいると告白。3人は車へ乗り、シムラを目指す。
10年前、インド屈指の難関工科大学ICE(Imperial College of Engineering)。カメラマンを夢見ながらもエンジニアになるよう強要され生きてきたファルハーン、恐怖心から祈りを欠かせないラージュー、探究心旺盛で強い信念を持つランチョー、3人はルームメイトとなる。反骨心の強いランチョーは理不尽な上級生や、教師、学校を支配するヴィールー学長にすら与せず、自らの座右の銘「All is well.」”うまーくいーく”と唱え、思うままに世間の常識に反抗した。ある時、ランチョーと同類と目される4年生のジョイ・ロボが首吊り自殺を果たした。苛烈な競争を強いる大学の教育方針を苦に、その競争から降りたのだった。ヴィールー学長が求めるのは、通知表に記される成績や、就職率、順位など、社会が成功と呼ぶものばかりだった。「学問」ではなく「点の取り方」を教える教育へ、ランチョーは疑問を覚え、真向から対立する。ファルハーンへとラージューはそんなランチョーに引き寄せられ何をするにも3人でいた。対してヴィールーはファルハーンとラージューをランチョーと決別させるために策を講じるが、あえなく失敗し、3人の絆は確固たるものへ変化する。
ランチョーに引き寄せられるのは2人だけではなかった。学内で雑務をこなす少年マンモーハン、ヴィールーの娘で医者を志すピアも、ランチョーの浮世離れした姿勢に触発される。 1年の成績が発表される。ファルハーンとラージューはワースト1位と2位、対してランチョーはチャトルを抑えて1位を獲得した。その後行われた集合写真撮影の途中、ランチョーとヴィールーは「ファルハーンかラージューが就職するか否か」を賭ける。
シムラのランチョーの家へ訪れた一行だったが、そこにいたのはランチョーと名乗る別の人物だった。部屋に飾られた写真は紛れもなく10年前に撮影されたものだったが、ランチョーの位置にはその男が座っていた。
ランチョーを名乗る人物の正体を突き止めるべく、ファルハーンとラージューは再度ランチョーの家を訪れる。その男は自らが本物のランチョーで、大学にいたのは庭師の息子で、ランチョーの家で使用人として雇われていた人物だった。幼い頃から学問に夢中だったことから、無学なランチョーの影武者として、ICEの学位を取得するために大学へ入ったのだった。事実を秘密にするのを条件に、ランチョーがラダックにいると告白した。
4年生になった3人。ランチョーは相変わらず学年首位を独走し、ファルハーンとラージューは万年最下位だった。「どうして成績が上がらない?」そんな2人の問いに、ファルハーンは工学ではなく写真に魅せられながらもそれをひた隠しにしているから、ラージューは臆病から神頼みになり勉強に集中できないからだと笑って答える。それに対して、ランチョーはピアへの恋心をひた隠し、ばれないよう臆病でいると言い返される。ファルハーンとラージューは「ランチョーがピアへ愛を告白すれば、父親へ写真家になりたいと伝え、信仰の指輪を捨てて面接へ行く」と酩酊ながらに宣言する。その直後、一行はヴィールー宅を訪れる。ランチョーはピアの枕元で愛を告白する。酔っ払った3人はヴィールーの魔手から逃れたものの、ラージューだけが顔を見られてしまう。後日、ヴィールーに呼び出されたラージューは退学を言い渡され、それが嫌ならばランチョーを身代わりに差し出すよう命じられる。八方塞がりに陥ったラージューは精一杯の抗議として、窓から飛び降り、一時的に全身が麻痺する危険な状態に陥る。入院中、ランチョーとファルハーンは何とかラージューを復活させようと、退学処分の取り消しを伝えたり、パーティーを催し、果てには幸せな嘘をいくつも吐いた。ついにラージューは回復する。
ファルハーンはある写真家から助手としてのスカウトを受ける。ランチョーがファルハーンの写真をこっそり送り、それを気に入ったのだった。しかし、その道を進むには父親を認めさせなければならない。社会への体裁を気にしてファルハーンをエンジニアへ仕立てようとする父親に、ファルハーンは正面から向き合い、説得に成功する。一方、車椅子での移動ができるまでになったラージューは、指輪を捨てて面接へ赴く。成績の不振を尋ねられ、自らの恐怖心を、先の自殺未遂を交えて告白する。会社側に迎合しようとせず、自らの言葉を放ったラージューは感銘を受けられ、その場で内定を得た。
ラージューへの復讐を目論むヴィールーは、彼を落第させるために難解な答案を作成する。ピアを通じてそれを察知したランチョーとファルハーンは答案を盗み出すが、ラージュは自らの実力で合格してみせると意気込む。しかし、盗みがヴィールーに露呈し、3人は即刻退学を言い渡される。その夜、町は道路が浸水するほどの豪雨に見舞われる。ピアの姉がそのタイミングで破水する。病院へ搬送することはできず、大学の娯楽室で、多くの生徒を巻き込んでのお産を始める。掃除機を用いた即席の吸引器を以て、出産に成功。奇跡的な出来事の立役者となったランチョーはそっと場を去ろうとするが、ヴィールーに呼び止められ、退学の取り消しを言い伝えられる。その後、3人は無事卒業する。式の場で、ランチョーはそそくさと去っていった。それから10年間、ファルハーンとラージューは、彼と連絡をとることすら叶わなかった。
途中でピアを拾い、ランチョーに教えられた住所へやってきた一行。そこはラダックの小学校で、生徒たちがあちこちで珍妙な発明品で遊んでいた。一行はついにランチョーと再会する。(Wikipediaより転載)
<感想>
3時間近い長い作品ですが、途中から嵌って長さを感じず楽しめました。インドの学歴社会、実際もこうなのかな。学長にはヘイト溜めまくりましたが、良いラストで良かった!歌も良い!
ただ、話が前後するの多過ぎな気がしました。