リドリー・スコット監督。ミシェル・ウィリアムズ主演、クリストファー・プラマー、マーク・ウォールバーグ。2018年。
<ストーリー>
実業家のジャン・ポール・ゲティは中東との石油取引で莫大な富を得るが家族との関係は冷めていた。1973年7月、ローマ。ゲティの孫であるジョン・ポール・ゲティ3世は、夜の街で街娼をあさっているところを、男たちによって拉致される。犯人グループのうち、英語を話せるチンクアンタが監禁したポールの世話係をつとめることになる。
ポールの母親のゲイルは夫と離婚し、息子と共に富豪一族とは離れて生活していた。ゲイルの元に誘拐犯からの電話がかかってくる。身代金は1700万ドルという莫大なものだった。ゲイルはゲティに電話をかけるがゲティは株取引に夢中で応じない。やがてゲイルはテレビニュースでゲティの姿を見る。ゲティは記者たちに向かって、身代金の支払いは断固拒否すると言い放つ。「要求に応じれば他の14人の孫たちも危険に晒される」というのが理由だった。ゲティは、元CIAで現在はゲティのもとで中東の業者との交渉人をしているフレッチャー・チェイスを呼び寄せ、なるべく費用をかけずに孫を取り戻せと指示する。チェイスはゲイルの元に赴く。彼女の自宅はマスコミに囲まれており、世界中の自称誘拐犯からの手紙が送られていた。
ポールの死体が見つかったという連絡を受けゲイルは警察に確認に行くが、それは別人だった。それは犯人グループの一人であり、そこから犯人たちの身元が判明する。警察は隠れ家に向かうが、既にポールは世話役のチンクアンタと共に、別の犯罪グループに売り飛ばされていた。
ポールは監禁された山小屋に放火し、混乱に乗じて脱出し、民家に逃げ込むが、そこで連れ戻されてしまう。リーダーのマンモリティは、ポールの耳を切断し、ゲティの会社に送りつける。
ゲイルは、ゲティが身代金を払うと聞かされ、チェイスと共にロンドンに向かう。ゲティは身代金を貸す代わりにゲティにポールの親権を譲るように要求し、ゲイルはこの条件を呑む。しかし、税制上、イタリアには400万ドルしか送金できないことをゲティは告げる。ゲイルは電話でチンクアンタと交渉するが、チンクアンタは次は足を切ると警告する。
ゲイルは記者会見を開き「身代金は全額払う」と発言する。驚いたゲティはチェイスを問いただすが、チェイスはゲイルの味方をする。ゲティのもとに原油価格が暴落したという知らせが届きゲティはショックを受ける。
ローマに戻ったチェイサーは、ゲティからの「金も子供もやる」という伝言を受け取る。石油ショックで自動車の往来が途絶えた道路を、ゲイルとチェイサーは身代金の引き渡しのために軽自動車を走らせる。犯人の指示通りに道路の途中で現金の入ったバッグを捨てる。ようやく開放されたポールは一人で隠れ家から歩み去る。
犯人グループは身代金を分配して逃走しようとするが、警察のヘリコプターが尾行していたことに気づき、マンモリティはポールの殺害を指示する。追跡に気づいたポールは街に逃げ込むが、そこに住む人々は報復を怖れて誰もポールを助けようとはしなかった。チェイサーはポールの行方を追って、犯人グループが行き交う街にたどり着く。そこに、チンクアンタが捕まりそうになっていたポールを連れ出してチェイサーに引き渡す。ポールは母のゲティとともに数カ月ぶりに帰宅する。
その頃、ゲティは発作を起こしてひとり屋敷のベッドで息絶えた。ポールは莫大な遺産の相続人となり、ゲイルは彼が成人するまでの代理人に就任した。のちにゲイルが世界中から買い漁った美術品を元にゲティ美術館が設立され、ゲティ財団は、さまざまな慈善事業のスポンサーとなった。(Wikipediaより転載)
<感想>
ケヴィン・スペイシーで完成していたのを撮り直して公開した曰く付きの作品。実話をベースにしたフィクション。実際に誘拐された少年がどうなったのか調べたところ、悲惨な人生を送ったというのがまた辛かった。お金はあり過ぎても幸せじゃないのか。