雲のむこう、約束の場所

新海誠監督。声、吉岡秀隆、萩原聖人、南里侑香。2004年。

雲のむこう、約束の場所 [DVD]

<ストーリー>
もうひとつの戦後の世界。
1996年、日本は南北に分断されていた。世界の半分を覆う共産国家群ユニオンはエゾ(北海道)を支配下に置き、島の中央にとほうもなく高い、純白の塔を建造しつつあった。しかしユニオンの意図は誰にもわからない。青森県の津軽半島に住む中学3年生の藤沢浩紀と白川拓也は異国の大地にそびえる塔にあこがれ、飛行機で国境の津軽海峡を越え、塔まで飛んで行く計画を立てていた。そのための飛行機ヴェラシーラも、山の上の廃駅の格納庫で製作が進んでいる。犯罪以外の何ものでもないこの計画は他言無用とされていたが、浩紀が口を滑らせたせいで、クラスメイトの沢渡佐由理にばれてしまう。さいわい佐由理はヴェラシーラに強い関心を持ち、計画の共犯者になってくれる。浩紀たちと佐由理は、「ヴェラシーラが完成したら佐由理を塔まで連れていく」と約束を交わす。ヴェラシーラが完成に近づくにつれ三人の仲も深まるが、佐由理はある日、塔の夢を見る。そして突然浩紀たちの前から姿を消す。佐由理をなくした浩紀たちはヴェラシーラの製作を止めてしまう。いまや、ヴェラシーラは佐由理のためのものでもあったからだ。
3年後の1999年。つらい思い出から逃げるために青森を離れ、東京に出た浩紀は、たびたび佐由理の夢を見ていた。夢の中では、佐由理は見知らぬ、荒廃した世界にひとり取り残され、孤独に苛まれながら浩紀の名前を呼んでいる。しかし夢の傍観者にすぎない浩紀にはどうすることもできず、苦しむ。そんなある日、浩紀のもとに佐由理が三年前に書いた手紙が届く。佐由理は原因不明の眠り病にかかり、治療のために東京の病院に入院したという。浩紀は病院に駆けつけるが、佐由理は他の病院に転院した後だった。しかし浩紀は佐由理のいた病室で白昼夢に襲われ、夢の世界で佐由理と邂逅する。夢はすぐに消えてしまったが、浩紀は佐由理を救うには約束を果たさねばならないと悟る。
一方、拓也は、塔の破壊を企てる反ユニオン組織ウィルタ解放戦線に内通し、在日米軍のアーミー・カレッジで塔の秘密を探っていた。拓也の指導教官の富澤常夫教授は、塔は宇宙の見る夢――平行宇宙を観測し、高精度な未来予測を行うためのシステムだと考えている。生物の脳には平行宇宙を感知する能力が僅かに備わっていると言われ、富澤研究室も類似の装置を保有しているが、塔の機能はそれらとは比較にならないほど強力だ。しかし塔は現在正常に作動していない可能性が高く、塔を中心とした半径数キロメートルの空間が平行宇宙の暗闇に侵食されている。富澤は、平行宇宙の侵食が停止しているのは、何らかの外因が塔の活動を抑制しているからではないかと推理する。やがて富澤は、塔の設計者エクスン・ツキノエには孫娘がおり、その孫娘――沢渡佐由理が原因不明の奇病で三年間眠り続けていることを突き止める。佐由理を塔と繋がりのある人物だと考えた富澤は佐由理を東京の病院から青森の軍の病院に移送し、監視下に置く。そして浩紀が夢の中で佐由理と邂逅した瞬間、佐由理の意識レベルが一時的に上昇し、平行宇宙の侵食が拡大するのを目撃する。塔のとらえた平行宇宙の情報は、この宇宙を侵食するかわりに佐由理の夢に流れ込んでいる。もし佐由理が目覚めれば、この宇宙はまたたく間に平行宇宙に飲み込まれるだろう。数日後、富澤は拓也を眠る佐由理に引き合わせる。絶句する拓也に、富澤は「佐由理は数日中にアメリカ本土に移送される」と語る。貴重なサンプルを戦火から守るためだ。塔をめぐるアメリカとユニオンの軍事的緊張は極限に達しており、近々、本格的な軍事衝突に発展すると予想されていた。
浩紀は青森に戻り、拓也と再会する。浩紀は拓也に「ヴェラシーラに佐由理を乗せ、塔に連れていく。そうすれば佐由理は目覚める」と伝え、協力を求める。佐由理の目覚めはこの宇宙の消失とほぼ同義であることを知る拓也は、一度は協力を拒絶するが、葛藤の末、佐由理を軍の病院から連れ出してきた。再び団結した浩紀と拓也はヴェラシーラの完成を急ぐ。やがてアメリカがユニオンに宣戦を布告し、津軽海峡で戦争が始まる。浩紀は佐由理を後部座席に乗せ、ヴェラシーラを発進させる。
戦闘の混乱にまぎれ、浩紀のヴェラシーラは塔に接近する。夢の世界では、佐由理が目覚めの予兆に震えていた。佐由理は、夢が消えたら、夢の中で気づいた浩紀への想いも消えてしまうと悟り、この気持ちだけは失くしたくないと懸命に祈るが、目が覚めると夢でのことは全て忘れてしまっていた。そして富澤の予想通り、平行宇宙の侵食は急激に拡大し、世界は暗闇に飲まれていく。浩紀はウィルタに託されたPL外殻爆弾を投下し、塔を壊して宇宙の消失を食い止める。だが約束の場所も永遠に失われる。
十数年が経ち、大人になった浩紀は故郷の津軽半島に足をはこぶ。思い出の廃駅は昔と変わらずそこにあったが、北の空に塔はなく、そして浩紀の隣には誰もいなかった。(Wikipediaより転載)

<感想>
『君の名は。』を観る前に、少し新海作品を観ておこうかと選びました、第2弾。ううーむ。北海道が無いというアナザーワールド。それは良いのですが、『ほしのこえ』と同じく、やはりちょっと無理やりな展開を感じ、置いてけぼり感を感じました。感動!というよりも、ん?結局どうなったの?と分かりにくいし、何だか後ろ向きな感じです。そこが良いのかも知れませんが。
でも『君の名は。』を観た後だと、似ているところを多く感じますね。でも、もう1回観ようとはやっぱり思わないです。