ダニー・ボイル監督。ジェームズ・フランコ主演、アンバー・タンブリン、ケイト・マーラ。実話の映画化。2010年。
<ストーリー>
登山家のアーロン・ラルストンは、ある金曜日の夜、母からの電話を無視し、いつものように1人でロッククライミングを楽しむためにユタ州のブルー・ジョン・キャニオンへと出掛けた。キャニオンで出会ったクリスティ、ミーガンの2人と美しい泉で水遊びを楽しむ。そして気分良く分かれて1人歩き出したアーロンは、慣れていたはずの渓谷で落石に右腕を挟まれ、一歩も動けなくなってしまった。助けを求めるも、叫び声は空しく無人の荒野にのみ込まれるのみ。アーロンは知恵と経験を総動員して、ここからの脱出を試みる…。
<感想>
私もいくつかアメリカの国立公園を訪ね、その自然の美しさに感動したことがありますが、一般ルートをはずれたことは一度もありません。この映画を観て、ルートをはずれると、こんなステキな場所があるんだと羨ましく思う一方、やはりこんなトラブルに遭ったら死と隣り合わせなのだと怖くなりました。全く動けないアーロンを、単調にならずにどう描くかは気になるところですが、演出が上手く全く飽きさせませんでした。特に誰にも伝えずに出てきてしまったことを描く下りは、コミカルでありながら、その絶望が上手く表現されていました。忘れられないシーンです。そして最後の決断へ…きっかけがちょっと出来すぎな気がしましたが、実話とのこと。凄いです。アーロンの精神力の強さに感動しました。監督は、アーロンのような立場になれば、皆そうすると語っていましたが、誰にでも出来ることではないと思います。よくできた良い映画でした。